ソウル旅行のレビューで、宮殿や市場と並んで必ずといっていいほど登場する名前がある。ダイソーだ。500ウォンから5,000ウォンまで、たった6つの価格しか存在しないこの均一価格ショップは、いまや韓国人の日常消費と外国人観光客のショッピング動線の両方を掌握してしまった。

まず結論から

  • ダイソーは2025年の売上高が4兆5,363億ウォン(前年比+14.3%)、全国店舗数約1,600店の韓国最大の均一価格チェーンである。
  • 成長エンジンはビューティー — VTリードルショット・カラーバームの品切れ騒動以降、化粧品売上は年144%も急伸し、購買層が10代から60代まで広がった。
  • 外国人決済額も1年で70%急増。マスクパックとミニ薬菓が、お土産の新定番になった。

ダイソーはどれだけ大きくなったのか?

まず数字から見てみよう。ダイソーを運営するアソンダイソーの2025年の売上高は4兆5,363億ウォンで、前年より14.3%増加。営業利益は4,424億ウォン(+19.2%)だった。2022年末に2兆9,458億ウォンだった売上高が、たった3年で54%も跳ね上がったことになる。同じ期間に店舗数は1,442店から約1,600店へと11%増えたにすぎない。つまり、店舗を増やして大きくなったのではなく、1店舗あたりの売上を伸ばして大きくなった会社なのだ。

4.5兆ウォン
2025年売上高(前年比 +14.3%)
1,600
全国店舗数(2025年)
+144%
ビューティーカテゴリー年間売上成長率
+70%
外国人決済額の増加(2026年1〜3月、前年同期比)

背景には2つの要因がある。ひとつは高物価 — 不況であるほど均一価格ストアは強くなる。もうひとつは商品の進化だ。生活雑貨店だったダイソーが化粧品・衣類・食品へと売り場を広げ、「必要なものを買いに行く場所」から「何が出たか見に行く場所」へと変わった。

日本のダイソーとは別の会社

名前のせいで日本ブランドと誤解されがちだが、韓国ダイソーは1997年にソウルで始まった韓国企業(アソンダイソー)である。2023年、日本の大創産業が持っていた持分を全量買い取り、資本関係も解消した。商品企画・運営はすべて独自に行っている。

品切れ騒動はどう始まったのか?

転換点は2023年末のVTリードルショットだった。デパートで3万ウォン台で売られていたVTコスメティックのアンプルを、ダイソーが3,000ウォンの小容量版で発売するやいなや、開店と同時に品切れとなり、1人2個までの購入制限までかかった。以後、ダイソーの基礎化粧品売上は前年比165%も跳ね上がった。

2024年にはソン・アンド・パクの「アーティスプレッド カラーバーム」がバトンを受け取った。SNSでシャネルのリップバームと発色を比較するコンテンツが拡散し、ダイソーシャネルバームという異名まで獲得。初期生産分220万個がわずか3週間で完売した。

ダイソービューティーの直近1年間の推定購買額は3,619億ウォン(2026年3月基準、エムブレイン調べ)で、前年より39.6%増加した。大手化粧品ブランドがダイソー専用の「セカンドブランド」を競って投入する理由だ — セカンドブランドの購買額だけでも853億ウォン、成長率は58.2%に達する。

現在ダイソーの売り場には60余りのブランド、500種以上の化粧品が並んでいる。5,000ウォンを超える商品はひとつもない。


世代ごとにカゴの中身は違うのか?

ダイソーの面白いところは、あらゆる世代が足を運ぶのに、買っていくものが世代ごとにまったく異なる点だ。購買データと報道をもとに、世代別のショッピングカートの中身をのぞいてみた。

10〜20代 — ビューティー実験室とデコ

Z世代・アルファ世代にとってダイソーはビューティーの実験室だ。お小遣いでVTリードルショットやカラーバームといった話題アイテムを気軽に試し、TikTokやYouTubeに다이소깡(ダイソーハウル/購入品紹介動画)を投稿する。20代はダイソービューティー購買額が全年齢層で最も大きいコア顧客層だ。ビューティー以外では文房具が強い — ステッカーやマスキングテープなど다꾸(ダク/手帳デコ)用品の売り場は、放課後の時間帯になるとぎっしり混み合う。

30〜40代 — 実用アイテムとリフィルの王国

会社員と一人暮らし世帯にとって、ダイソーは生活インフラに近い存在だ。旅行用ミニヘアアイロン、オフィスの引き出し用ミニシェーバーのように、「カバンに入る機能性」がこの世代のキーワード。キッチン・掃除用品の売上の中心軸でもある — ダイソーモールが選んだ2026年上半期「国民的お得アイテム」TOP 3(美容ティッシュ・ガラスミラー拭きティッシュ・IH油汚れティッシュ)は、実質的に3040世代の買い物カゴそのものだ。化粧品においても、40代の割合が約30%と最も大きいという調査結果がある。

50〜60代 — 最も急成長するお客様

最も劇的な変化はシニア層だ。ダイソービューティーの60代購買額増加率は前年比114.3%と、全年齢層で1位(エムブレイン、2026年3月基準)。高いブランド品を買う前に5,000ウォンで効能を試してみるリトマス消費が定着したのだ。男性の購買額も1年で112.9%増加しており、中高年男性は化粧品だけでなく、5,000ウォン前後のゴルフグローブや登山・園芸用品も一緒にカゴに入れている。

🛒 世代別ダイソーショッピングカートまとめ

世代代表アイテムキーワード
10代話題のビューティー、文房具・デコ、キャラクターグッズダイソーハウル、ショート動画
20代ビューティー(購買額1位)、一人暮らし雑貨コスパ最強化粧台
30〜40代キッチン・掃除消耗品、旅行用ミニ家電、メンズグルーミング実用、リフィル
50〜60代エントリー基礎化粧品、ゴルフグローブ、園芸・登山用品リトマス消費、増加率1位

外国人観光客はなぜダイソーに向かうのか?

明洞のど真ん中にあるダイソーは、すでに「ショッピング聖地」と呼ばれている。2026年1〜3月のダイソーの外国人決済額は前年同期比で70%も増え、消費はビューティーと食品に集中する。理由はシンプルだ — オリーブヤングで売っているKビューティーの主要アイテム(マスクパック、アンプル、リップ)を1,000〜5,000ウォンで買えて、スーツケースに入るKスナック土産がワンフロアにまとまっているからだ。

🧴
マスクパック
1枚1,000ウォン前後。かさばらないので、ばらまき用の大量購入にうってつけ。
💉
VT リードルショット
品切れ騒動の元祖。デパート3万ウォン台のアンプルが、3,000ウォンの小容量版に。
💄
ソンアンドパク カラーバーム
通称「ダイソーシャネルバーム」。220万個が3週間で完売したマルチバーム。
🍯
ミニ薬菓・ハニーバターアーモンド
外国人決済上位のKスナック。個包装なのでばらまき土産に最適。

旅行者へのヒント

  • 観光地の大型店舗(明洞駅店・弘大店など)に行こう。フロア数が多いほどカテゴリーも広い。
  • 人気ビューティーアイテムは夕方には品薄になる。ダイソーアプリで店舗別の在庫を事前に確認できる。
  • すべての商品は500・1,000・1,500・2,000・3,000・5,000ウォンの6つの価格だけ。いちいち値札を確認する手間がない。

📍 Naverマップで開く(明洞駅店)

📍 Naverマップで開く(弘大店)

データと出典

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