先に要点

  • 2025年の輸出先・輸入元は中国が首位、米国が続く。EUは地域ブロックなので、含めるかどうかで国別順位は変わる。
  • 2026年1〜8月の半導体比率は、公表金額から計算すると40.5%。
  • 2026年1〜8月の対中収支はすでに276.78億ドルの黒字。8か月の黒字を通年の結果とは呼べない。

釜山新港から出るコンテナには韓国の製品が積まれ、入る船には次の製造に必要な資材が載っている。明洞の店から出る旅行者の買い物袋も、国境を越える需要の一つだ。ただし統計上、いつも同じ勘定に入るわけではない。

誰が韓国製品を買い、誰が韓国に供給し、その取引が半導体にどれほど集中しているのか。読むときはこの三つを分け、通年と年途中も区別したい。以下は2026年11月1日に確認した数値で、2026年の比較期間は1〜8月にそろえている。

$709.4B

2025年輸出、関税庁1月26日総括

$77.7B

同総括の2025年黒字

40.5%

2026年1〜8月半導体比率・計算値

$202.624B

2026年1〜8月黒字、9月15日公表

韓国はどれだけ輸出・輸入する?

関税庁の1月26日総括では、2025年輸出は7,094億ドル、輸入は6,318億ドル。黒字は777億ドルで2017年以来最大、年間輸出は初めて7,000億ドルを超えた。2026年1〜8月の輸出は6,935.88億ドルに達したが、8か月と12か月を比べても通年実績は確定しない。

期間輸出(十億ドル)輸入(十億ドル)収支(十億ドル)
2025年通年709.4631.8+77.7
2026年1〜8月693.588490.964+202.624
2026年8月98.28263.497+34.785

2025年は2026年1月26日総括の丸めた値。同資料は2月の年間統計確定まで修正可能とする。2026年は9月15日の月次公表値で、8月「確定値」とされる一方、2027年2月まで年間修正の可能性も明記。公表時点や品目分類の違う数値を混ぜない。

主な貿易相手はどこ?

2025年総括では、中国が輸出・輸入とも首位。下表は同じ資料で両方向を確認できた相手の比較だ。総額と収支は1億ドル単位に丸めた原数値から計算し、公式の貿易収支順位ではない。

比較対象輸出(十億ドル)輸入(十億ドル)総額(十億ドル)収支(十億ドル)
中国130.8141.9272.7-11.1
米国122.973.4196.3+49.5
EU70.166.7136.8+3.4
台湾49.132.381.4+16.8

同資料の輸出上位5市場は中国1,308億ドル、米国1,229億ドル、EU701億ドル、ベトナム628億ドル、台湾491億ドル。台湾は韓国関税統計に直接掲載されており、構成比から推計する必要はない。EUを一市場として数えると台湾は5位、個別の国・地域だけなら4位。「国際統計から台湾が一律に消える」という説明は広すぎる。

何を売り、何を輸入する?

半導体は輸出でも輸入でも最大の品目。2025年総括の半導体輸出は1,753億ドル、全体の24.7%。次は乗用車685億ドルだった。半導体・乗用車・鉄鋼製品・石油製品・船舶の5品目で51.7%を占める。表は関税庁の品目分類に統一した。

2025年輸出品目金額(十億ドル)前年比
半導体175.3+21.9%
乗用車68.5+0.3%
鉄鋼製品46.0-4.5%
石油製品46.0-9.4%
船舶30.4+24.0%

2026年1〜8月の半導体輸出は2,811.84億ドル、前年比169.6%増。同じ資料の総輸出6,935.88億ドルで割ると、小数第1位までで40.5%となる。これは金額比率で、貨物重量やコンテナの数ではない。金額の伸びには数量と価格の両方が影響する。

2025年輸入品目金額(十億ドル)前年比
半導体77.5+4.9%
原油75.3-11.8%
ガス30.5-12.1%
機械類30.3+7.8%
半導体製造装置26.7+18.6%

2025年輸入の半導体比率は12.3%、原油は11.9%。原油・ガス・石炭を合わせた比率は約19%で、ガスはLNGだけの数字ではない。輸出と輸入では半導体の用途・構成が違うため、大輸出国が大輸入国でも不思議ではない。

同資料の原油輸入額はサウジアラビア257億ドルが最大で、米国129億ドル、UAE88億ドル、イラク77億ドル、クウェート63億ドルと続く。各国からの全品目輸入額ではない。別の指標として、エネルギー経済研究院の2025年12月資料は一次エネルギー供給に占める輸入比率を92.9%(暫定)とする。貿易輸入額に占めるエネルギー比率とは定義が違う。

米国の半導体関税はどう読む?

「半導体は関税を免れた」とは言い切れない。米国の2026年1月14日大統領布告は、限定された先端計算用半導体と一部派生製品に通商拡大法232条の25%関税を課し、米国内データセンターや研究など特定用途を除外した。交渉後の追加措置も想定する。この時点の措置から、韓国製半導体すべての現在税率は導けない。2025年総括の乗用車輸出は0.3%増、半導体は21.9%増だが、その差だけで関税の因果効果は分からない。

対中貿易収支は変わった?

2026年1〜8月の対中貿易は黒字になった。関税庁公表値は輸出1,453.83億ドル、輸入1,177.05億ドル、黒字276.78億ドル。2025年総括の丸めた金額では約111億ドルの赤字となる。年途中の黒字転換は確認できるが、2026年通年の収支は年末前に確定できない。

2026年1〜8月の相手輸出(十億ドル)輸入(十億ドル)収支(十億ドル)
中国145.383117.705+27.678
米国127.49660.067+67.429
EU55.52049.931+5.589
台湾47.52327.933+19.590
ベトナム63.13325.164+37.969
日本21.42336.440-15.017
香港53.8382.144+51.694

収支は同じ9月15日資料の公表値で、不完全な一覧から作った順位ではない。ベトナム向け取引がすべて韓国系工場向けだとは分からず、香港の合計値だけでも中国本土への再輸出比率は測れない。

貿易依存度は何を測る?

貿易依存度は、何を数えるかで変わる。税関の財貿易と、国民経済計算の財・サービスは同じではない。時点の違うドル建てGDP予測と貿易額を組み合わせると、基準のそろわない比率になる。韓国銀行の2026年3月10日暫定公表は、2025年名目GDPを2,663.3兆ウォン、1人当たりGNIを36,855ドルとする。GNIとGDPは別の指標だ。関税庁の「年間輸出7,000億ドルを超えた世界6番目」という説明も、現在の輸出順位とは違う。

韓国のFTAはどこまで広がる?

協定数と対象国数を分けて数える。忠南FTAセンターは発効23件・60か国と掲載しており、「23か国・地域」ではない。産業通商部の年表で、RCEPの韓国発効日は2022年2月1日と確認できる。DEPAのようなデジタル協定を財のFTAと同列に加えるべきではない。協定ごとの交渉状況は公式FTAポータルで確認できる。

貿易相手と訪韓客は重なる?

主な訪韓市場は貿易相手と重なるが、測っているものは違う。韓国観光公社の1月30日公表では、2025年の訪韓客は18,936,562人。上位5市場は下表の通り。比較には同じ年を使いたい。輸出先・輸入元・訪韓市場の順位は一致するとは限らない。

2025年の訪韓市場訪問者数
中国5,480,969
日本3,653,137
台湾1,891,414
米国1,483,240
香港623,149

延べ到着者数であり、実人数や商品取引の件数ではない。中国・日本・台湾・米国・香港との旅行上の結びつきは強いが、貿易が訪問の原因だと証明する表でもない。対日貿易赤字と訪日・訪韓客数を引き算することもできない。

免税店の買い物はどう分類する?

免税かどうかより、購入目的が重要。UN ComtradeによるIMF国際収支ルールの解説では、自分用・贈答用の購入は原則旅行サービス、転売用は財に分類される。自分用でも税関基準を超えて貿易統計に入るものは財になる場合がある。コンテナで運ぶかどうかが基準ではない。

転売品を買う代購・担ぎ屋(daigong)の購入を、すべて一般観光客の支出と呼ぶことはできない。普通の旅行者なら、現地と自国の価格や手荷物制限を比べ、自分が使うものを選べばよい。

Kビューティー・食品の記録は同じ統計?

記録ごとに品目の範囲が違う。産業通商部の1月1日発表は、2025年化粧品輸出を約114億ドル、農水産食品を約124億ドルの過去最高とした。農林畜産食品部の1月12日発表では別分類の農食品が104.1億ドル、そのうちラーメンが約15.2億ドル。農業関連産業も含むK-Food+は136.2億ドルだった。これらを同じ指標として置き換えたり、旅行者の買い物と単純加算したりはできない。

韓国の貿易には半導体の景気循環、双方向の供給網、エネルギー輸入が重なる。期間・公表機関・定義を先に確かめると読みやすい。確認済みの2026年1〜8月値は半導体集中と対中黒字を示すが、通年予測の達成や出港する船すべての中身を示すものではない。