氷点下15度(-15°C)の朝。カチカチに凍った川の上に何千もの氷の穴が開けられ、その前にしゃがみ込んだ人たちが釣り糸をちょんちょんと動かしています。誰かが「釣れた!」と叫ぶと、銀色の魚が一匹、氷の上に跳ね上がる。しばらくすると、その魚は川辺の焼き場でこんがり焼かれて戻ってきます。これが江原道華川(ファチョン)の1月の風景です。

華川ヤマメ祭り(華川山魚祭り)は、文化体育観光部の「代表祭り」と「グローバル育成祭り」に選ばれたこともある、韓国を代表する冬祭り。2026年は23日間で約159万人が訪れ、そのうち外国人は約11万4千人でした。ソウルからバスで3時間ほどなので、日帰りでも十分楽しめます。この記事では、2027年の日程と変わる料金、外国人専用釣り場、行き方と防寒対策、そして華川が難しい場合に行ける他の冬祭りまでまとめました。

まず結論から

  • 2027華川ヤマメ祭り:1月9日(土)〜31日(日)の23日間。氷の張りが遅れると開幕が延期されることもあります。
  • 料金(2026年公式):外国人専用釣り場は10,000ウォン、うち5,000ウォンは商品券で還元。2027年は大人の一般料金が25,000ウォン(15,000ウォン還元)に変わる予定です。
  • 行き方:東ソウルターミナル → 華川の市外バスで約3時間、14,400ウォン。釣り竿は現地で6,000ウォンから購入でき、防寒靴・手袋・カイロは必須です。
159万人
2026年華川ヤマメ祭りの来場者数(23日間)
11.4万人
うち外国人来場者
30cm+
2026年祭り期間中の平均氷厚(最大45cm)
23日間
2027年の開催期間(1/9〜1/31)

華川ヤマメ祭りってどんな祭り?

凍った川の上でヤマメを釣って、その場で焼いて食べる祭りです。 山魚(サンチョノ)はマス類の一種で、澄んだ渓流にすむ魚。日本でいうヤマメ(サクラマス)の仲間です。華川郡では毎年1月、華川川(ファチョンチョン)の氷が30cm以上の厚さになると、その上に大きな氷上釣り場を開き、氷の下にヤマメを放します。「氷の国・華川」という愛称のとおり、1か月近く小さな郡全体が祭り会場になるのです。

海外でもなかなかの知名度。2011年にCNNの旅行セクションに掲載されたロンリープラネットの記事「冬の七不思議(7 wonders of winter)」が「韓国の氷祭り」を紹介し、華川の氷上釣りや半袖姿での素手づかみを描写しました。いまでも韓国メディアが華川を紹介するときの定番の引用元です。2025年には来場者186万人と過去最多を記録しました。

知っておきたい背景

華川は休戦ラインに近い小さな郡で、祭りは地域経済の大きな柱です。2026年は会場での農特産物の売上だけで10億ウォン近くに達しました(アジア経済)。そこで、体験料の一部を華川愛商品券(ファチョンサラン商品券)や農特産物引換券で還元するというユニークな仕組みが生まれました。戻ってきた商品券は華川の町なかの食堂や店で現金のように使えます。一方で、動物保護団体が素手づかみなどの体験方法に反対するデモを行ったこともあり(2024年、毎日経済報道)、命を扱う体験だということを知った上で訪れるのもよいでしょう。

2027年の日程と料金は?

2027年の祭りは1月9日から31日までの23日間です。 韓国観光公社の祭り情報と華川郡の発表(アジュ経済報道)が同じ日程を示しています。料金は、10年以上続いてきた体系が変わります。華川郡は2027年から大人の体験料を15,000ウォンから25,000ウォンに引き上げる代わりに、還元する商品券・引換券を5,000ウォンから15,000ウォンに増やし、実質負担は1万ウォンのままにすると発表しました。

💳 華川ヤマメ祭り 大人料金の変化(2026年公式/2027年は華川郡発表、公式料金表は未掲載)

区分2026年(公式)2027年(発表)
大人一般体験料15,000ウォン25,000ウォン
還元される金額5,000ウォン(農特産物引換券)15,000ウォン(引換券+華川愛商品券)
実質負担10,000ウォン10,000ウォン
外国人優待料金10,000ウォン(パスポート提示)未発表
外国人専用釣り場(個人旅行者)10,000ウォン(商品券5,000ウォン還元)未発表

華川郡は2027年に向けて、レーザー・ドローンの夜間ショーやフィンランド式サウナといった新プログラムも検討中だとしています(江原日報・江原道民日報)。確定したプログラムは、公式サイトに2027年の情報が掲載され次第この記事に反映します。

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外国人専用の氷上釣り場は何が違う?

混雑が少なく、外国人向けの設備が別に用意されています。 華川ヤマメ祭りには、外国人だけが利用できる氷上釣り場があります。2026年の公式英語ページによると、吊り橋の下流にあり、最大1,300人が同時に釣りできる規模で、営業時間は9:00〜18:00(チケット販売は17:00まで)でした。

🎣
料金10,000ウォン
外国人個人旅行者の料金(2026年)。うち5,000ウォンは華川愛商品券で戻ってくるので、ランチ代の足しにできます。4歳未満は無料。
🕌
休憩所・礼拝室
外国人専用の休憩所とムスリム向け礼拝室、専用の焼き場が釣り場のすぐ横にあります。
🚐
会場シャトル
外国人釣り場と予約釣り場を結ぶ電気シャトルが9:00〜18:00に無料で運行。
🐟
1人3匹まで
一般の釣り場と同じく、釣ったヤマメは1人3匹まで持ち帰れます。

面白いのは、この外国人料金が英語ページにしか載っていないこと。韓国語ページだけを見ても外国人釣り場の料金は見つからないので、韓国人の友人に手配を頼むときは英語の公式ページ(narafestival.com/ice_en)を見せてあげてください。パスポートは必ず持参を。外国人釣り場はもちろん、一般釣り場の優待料金もパスポートで外国人であることを確認します。

会場では何ができる?

主役は氷上釣りですが、一日たっぷり遊べるほどの楽しみがあります。 2026年の公式サイトに掲載された主なプログラムは次のとおりです。

❄️ 華川ヤマメ祭りの主なプログラム(2026年公式、2027年は料金変更予定)

プログラム時間料金(一般/優待・外国人)メモ
当日受付の氷上釣り平日9:00〜18:00、週末8:30〜18:0015,000ウォン/10,000ウォン先着順。週末は午前中に締め切られる日が多い
予約制の氷上釣り同上15,000ウォン/10,000ウォンNOLインターパークでオンライン予約、日付変更不可
外国人専用の氷上釣り9:00〜18:0010,000ウォン(外国人個人旅行者)商品券5,000ウォン還元
素手づかみ10:00〜16:00の毎正時15,000ウォン/10,000ウォン満14歳以上。半袖・半ズボン貸与、3分間で最大3匹
夜釣り19:00〜21:0015,000ウォン/10,000ウォン華川の宿泊領収書があれば無料利用券
氷上そり・雪そり日中5,000〜10,000ウォン一部商品券で還元
室内氷彫刻広場祭り前後を含む長期運営5,000ウォン/3,000ウォン未就学児無料
ヤマメの塩焼き・刺身常時1匹3,000ウォン自分で釣ったヤマメのみ調理、焼き時間15〜20分

楽しみは氷の上だけではありません。夕方になると華川の町なかでは、ヤマメ形の灯籠を吊るした**仙灯通り(ソンドゥンコリ)**に明かりがともり、週末には歩行者天国のイベントも開かれます。2026年には、ハルビンの氷彫刻の専門家が参加した大型の室内氷彫刻広場、サンタ郵便局、ヤマメタワーのジップラインもありました。2026年は室内氷彫刻広場と仙灯通りが、祭りの本開催期間より前後に長く(2025年12月20日〜2026年2月8日)運営されました。


ソウルから華川への行き方は?

東ソウル総合ターミナルから華川行きの市外バスに乗るのがいちばん簡単です。 地下鉄2号線の江辺(カンビョン)駅と直結したターミナルなので、迷うこともありません。祭りの公式サイトで案内されている交通手段は以下のとおりです。

🚌 ソウル → 華川の交通手段(華川ヤマメ祭り公式「アクセス」、2026年掲載時点)

手段区間所要時間・運行料金(大人)
市外バス東ソウルターミナル → 華川約2時間55分、始発6:45/最終18:1014,400ウォン
市外バス(帰り)華川 → 東ソウルターミナル約2時間35分、始発6:40/最終21:0014,400ウォン
ITX-青春清凉里(チョンニャンニ) → 春川/南春川約55分〜1時間8,300〜9,600ウォン
ITX-青春龍山(ヨンサン) → 春川/南春川約1時間15分8,600〜9,800ウォン
市外バス春川(チュンチョン) → 華川30分〜1時間間隔、7:00〜21:005,800ウォン

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アクセスのコツ

  • 週末は始発を狙いましょう。当日受付の釣り場は先着順で、週末は午前中に締め切られる日がよくあります。到着が遅くなりそうなら、NOLインターパークで予約釣り場を事前に押さえておくと安心です。
  • 春川駅からの華川行きバスは混みます。祭り期間中は春川駅前の「華川・楊口」停留所で座席が足りなくなることがあると、公式サイトが案内しています。
  • 車で行くならナビのルートを確認。一部のナビは加平から春川市西面梧月里(オウォルリ)の山道に案内しますが、除雪が不十分な区間があるため、公式サイトは経由地に「江村(カンチョン)」か「衣岩(ウィアム)ダム」を入れるよう勧めています。スタッドレスタイヤやチェーンも準備を。
  • ツアー商品もあります。弘大・明洞などから出発する外国人向けの日帰りシャトルツアーが、毎年いくつもの旅行プラットフォームに登場します。祭りの公式施設リストにも「外国人シャトルバス」がありましたが、2027年の運行情報はまだ公開されていません。

氷上釣りは初めて。どうすればいい?

道具は現地で買う、エサは人工エサのみ、食べ物は氷の上に持ち込めない。 この3つさえ押さえれば、初めてでも難しくありません。釣り場ごとに釣りガイドがいて、やり方を教えてくれます。

どのくらい寒い?何を着ればいい?

ソウルよりはるかに寒いです。体感温度-20°Cまで想定して備えてください。 華川には気象庁の平年値の観測地点がないので、近くの春川の1月の平年値(1991〜2020年)を見ると、平均気温-4.1°C、平均最低気温-9.3°Cです。2026年の祭り期間中には体感温度-20°Cの寒波が襲い、華川郡が素手づかみを一時中止し、氷上への入場人数を制限したこともありました(アジュ経済)。

氷の上に何時間も座っていると、まず足から凍えてきます。公式サイトも「防寒着、防寒靴、手袋、カイロでしっかり武装を」と呼びかけています。地元の人のように膝下まであるロングダウンに、ボア付きの防寒ブーツ、手袋は二重、靴の中に貼る足用カイロまで用意すれば心強いはず。会場の釣具店でもカイロを2,000ウォンで売っています。ロングダウンをどこで買えるかは韓国のロングダウン・冬服ショッピングガイドにまとめました。


天候で中止になることもある?

あります。氷が十分に張らなければ、開幕が延期されたり、中止になったりします。 気候変動で暖冬が増え、江原道の氷祭りは毎年この問題と格闘しています。

⚠️ 華川ヤマメ祭りの中止・延期の歴史(公式の祭り沿革・報道)

年何があったか
2011口蹄疫の拡大で中止
2020開幕直前の雨で氷が解けて2度延期、1月4日 → 1月27日に開幕。来場者は約43万人に激減
2021・2022新型コロナで開催見送り
20233年ぶりに再開
2025暖かい天気で開幕を1週間延期、1月11日に開幕(国民日報報道)
2026通常開催。寒波の日は一部プログラム中止・入場人数制限

さらに極端な例もあります。麟蹄(インジェ)ワカサギ祭りは、昭陽江ダムの水位と暖冬のせいで2024〜2026年の3年連続で開催できませんでした。 冬祭りを旅程に入れるなら、出発の1〜2日前に公式サイトのお知らせを必ず確認し、中止になったときにソウルで楽しめる代案(下記)もひとつ用意しておきましょう。

華川以外でソウル近郊の冬祭りはどこがある?

平昌マス祭りはKTXで行きやすく、抱川・楊平はソウルからいちばん近い祭りです。 以下は2025-26シーズンの実際の日程です。2026-27シーズンの日程は、華川以外まだ発表されていません。

🧊 ソウルから行ける冬祭り比較(2025-26シーズン、公式サイト・韓国観光公社・報道)

祭り地域2025-26日程主な体験大人料金ソウルから
華川ヤマメ祭り江原道華川2026.1.10〜2.1(2027:1.9〜1.31)氷上釣り、素手づかみ、外国人専用釣り場15,000ウォン(外国人10,000ウォン)東ソウルターミナルからバスで約3時間
平昌(ピョンチャン)マス祭り江原道平昌・珍富(チンブ)2026.1.9〜2.9氷上・テント・室内のマス釣り、素手づかみ氷上釣り25,000ウォンKTXソウル駅 → 珍富駅 約1時間40分
洪川江(ホンチョンガン)コンコン祭り江原道洪川2026.1.9〜1.25高麗人参の飼料で育てた「人参マス」釣り15,000〜20,000ウォン(5,000ウォン還元、報道)2026年は清凉里発の列車+シティツアーを運営
鉄原(チョロン)漢灘江(ハンタンガン)氷上トレッキング江原道鉄原2026.1.17〜1.25凍った川の上を歩く8.5kmのトレッキング10,000ウォン(5,000ウォン商品券)江原道北部
抱川(ポチョン)白雲渓谷(ペグンケゴク)冬将軍祭り京畿道抱川2025.12.20〜2026.2.22雪そり・氷上そり、室内マス・ワカサギ釣り3,000ウォン(飲食券2,000ウォン込み)京畿道北部、運営期間が最長
楊平(ヤンピョン)氷マス祭り京畿道楊平2025.12.6〜2026.3.2ワカサギすくい、マスの素手づかみ10,000〜17,000ウォン京畿道東部
大関嶺(テグァルリョン)雪花祭り江原道平昌2026.2.13〜2.22雪像、雪そり5,000〜10,000ウォン(報道)KTX珍富駅
麟蹄ワカサギ祭り江原道麟蹄3年連続中止——開催告知の確認が必要

平昌マス祭りは2026年に約25万人が訪れました。KTX珍富駅から近く、テントの中で釣る「テント釣り」(39,000ウォン〜)があるので寒さに弱い人にぴったり。外国人は英語での電話問い合わせ(+82-33-336-4000)に対応していると公式サイトに案内があります。鉄原漢灘江氷上トレッキングは、釣りの代わりに凍った峡谷の上を歩くユニークな体験です。

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ソウルから出るのが難しいなら?

ソウルのど真ん中でも、冬気分は十分に味わえます。 2025-26シーズンにソウル市が運営した冬のイベントはこちら。

冬の日帰りコースをもっと知りたいなら韓国の冬の日帰り旅行、スキー好きなら江原道スキー場の日帰り、寒い日に屋内で遊べる場所はソウルの冬の屋内スポット、夜景ならソウルの冬のイルミネーションにまとめています。冬だけの味覚が気になる人は韓国の冬の旬グルメもあわせてどうぞ。

データと出典