まず結論から
- 売上1位は新世界(シンセゲ)江南店。9年連続。2位のロッテ蚕室(チャムシル)店とともに、ソウルでたった2店舗しかない「3兆クラブ」の一角だ。
- ソウルっ子が週末に実際に行く店は、ランキングとは別の顔を見せる。江南エリアなら狎鴎亭(アックジョン)、汝矣島の会社員なら現代ソウル、松坡(ソンパ)なら蚕室、という具合だ。
- デパートに行く理由の半分は地下1階にある。服を買うより、食品館とポップアップ目当ての来店がすでに多数派だ。
ソウルにおいてデパートは、単なるショッピングモールではない。街の中心であり、どのデパートに通っているか聞けば、その人がどこに住んでいるのかがだいたい透けて見える。だからこそ、売上ランキングと実際の人の流れは、かなりズレている。両方を押さえれば、ソウルという都市の輪郭がぐっと鮮明になる。
ソウルのデパート、売上ランキングは?
2025年基準で全国1位は、新世界百貨店 江南店。年間売上高は3兆6,717億ウォン。9年連続のトップで、単一店舗で3兆ウォンを超えるデパートは、世界的に見てもロンドンのハロッズ、東京の伊勢丹新宿店くらいしかない。高速ターミナルという圧倒的な人流と、盤浦(バンポ)の再開発が生み出した購買力が重なった結果だ。
🏆 ソウルのデパート売上ランキング(2025年、業界推定値)
| ソウル順位 | 店舗 | エリア | 全国順位 | 2025年売上高 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 新世界 江南店 | 瑞草(ソチョ)盤浦・高速ターミナル | 1位 | 3兆6,717億ウォン |
| 2 | ロッテ 蚕室店 | 松坡 蚕室 | 2位 | 3兆3,010億ウォン |
| 3 | ロッテ 本店 | 中区 小公洞(ソゴンドン)・明洞 | 4位 | 2兆1,805億ウォン |
| 4 | 現代(ヒョンデ)ソウル | 永登浦(ヨンドゥンポ)汝矣島 | 7位 | 1兆ウォン台 |
| 5 | 現代 狎鴎亭本店 | 江南 狎鴎亭 | 8位 | 1兆ウォン台 |
| 6 | 現代 貿易センター店 | 江南 三成洞(サムソンドン) | 9位 | 1兆ウォン台 |
| 7 | 新世界 本店 | 中区 明洞 | 10位 | 1兆ウォン台 |
目を引くのは現代ソウルだ。2021年に汝矣島にオープンしたときは、デパート商圏として誰も見向きもしなかった立地だった。しかしわずか4年で、狎鴎亭や三成洞といった長年の強者たちを追い抜いた。エルメス、ルイ・ヴィトン、シャネルをひとつも抱えずに1兆ウォンを突破した、唯一のデパートでもある。外国人売上比率が2022年の3.3%から2025年には20%前後まで跳ね上がったことも、この上昇を押し上げた原動力だ。観光客の動線が明洞から、いわゆる「映えスポット」へとシフトした流れが、数字にはっきり表れた格好である。
一方、明洞の新世界本店は、12年ぶりの大型リニューアル工事の影響で10位まで後退した。1935年築の旧第一銀行の建物を活かしてつくられたラグジュアリー専門館「ザ・ヘリテージ」がオープンしたことで、いま再び上昇気流に乗りつつある。
じゃあ、ソウルっ子はどこに行く?
ランキングと愛着は別物だ。ソウルの人にとってデパートとは、ブランド品を買う場所というより、週末の午後を過ごす場所。だから家から近くて、ごはんが美味しいほうが勝つ。売上上位がそのまま人気ランキングにならない理由もここにある。上位店舗の売上を押し上げているのはラグジュアリーブランドとVIP顧客であり、週末に最も混み合うフロアは、地下とポップアップゾーンなのだ。
📍 新世界 江南店 — Naverマップで開く 📍 現代ソウル — Naverマップで開く 📍 ギャラリア名品館 — Naverマップで開く
旅行者ならどこを選ぶべき?
目的別おすすめ
- Kファッション・ポップアップ・映えスポット → 現代ソウル。新進ブランドの密度がソウルで最も高い。
- ラグジュアリー・免税・ワンストップ → ロッテ本店。明洞の街と免税店が隣接していて、移動が少なくて済む。
- ギフト向け食品・スイーツ → 新世界江南店「スイートパーク」またはギャラリア「グルメ494」。
- 子連れ → ロッテ蚕室店。屋内だけで一日が完結する。
もうひとつ豆知識を。デパートの地下食品館はたいてい午前10時30分に開き、夕方7時30分ごろからお弁当や惣菜に割引シールが貼られ始める。ソウルの会社員が退勤後に地下へ吸い込まれていくのは、これが目当てだ。観光客にはあまり知られていない時間帯でもある。
データと出典
- イシューオン「2025年百貨店売上高ランキング…トップ店舗への集中深刻化」(2026.01.28)
- テナントニュース「2025百貨店売上公開… 1兆ウォン以上店舗が58.3%」(2026.01.12、訂正報道反映)
- 韓国金融新聞「現代ソウル、10位→7位へ…百貨店ランキング再編」(2026.02.19)
- 売上高は流通業界の推定集計値であり、集計機関によって1〜2%の差異があります。