まず結論から

  • 売上1位は新世界(シンセゲ)江南店。9年連続。2位のロッテ蚕室(チャムシル)店とともに、ソウルでたった2店舗しかない「3兆クラブ」の一角だ。
  • ソウルっ子が週末に実際に行く店は、ランキングとは別の顔を見せる。江南エリアなら狎鴎亭(アックジョン)、汝矣島の会社員なら現代ソウル、松坡(ソンパ)なら蚕室、という具合だ。
  • デパートに行く理由の半分は地下1階にある。服を買うより、食品館とポップアップ目当ての来店がすでに多数派だ。

ソウルにおいてデパートは、単なるショッピングモールではない。街の中心であり、どのデパートに通っているか聞けば、その人がどこに住んでいるのかがだいたい透けて見える。だからこそ、売上ランキングと実際の人の流れは、かなりズレている。両方を押さえれば、ソウルという都市の輪郭がぐっと鮮明になる。

ソウルのデパート、売上ランキングは?

2025年基準で全国1位は、新世界百貨店 江南店。年間売上高は3兆6,717億ウォン。9年連続のトップで、単一店舗で3兆ウォンを超えるデパートは、世界的に見てもロンドンのハロッズ、東京の伊勢丹新宿店くらいしかない。高速ターミナルという圧倒的な人流と、盤浦(バンポ)の再開発が生み出した購買力が重なった結果だ。

3兆6,717億ウォン
新世界 江南店 2025年売上高(9年連続全国1位)
13店舗
年間売上1兆ウォンを突破した全国店舗数(全体売上の58.4%を占める)
10位 → 7位
現代ソウルの全国順位の変動(2024年 → 2025年)

🏆 ソウルのデパート売上ランキング(2025年、業界推定値)

ソウル順位店舗エリア全国順位2025年売上高
1新世界 江南店瑞草(ソチョ)盤浦・高速ターミナル1位3兆6,717億ウォン
2ロッテ 蚕室店松坡 蚕室2位3兆3,010億ウォン
3ロッテ 本店中区 小公洞(ソゴンドン)・明洞4位2兆1,805億ウォン
4現代(ヒョンデ)ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)汝矣島7位1兆ウォン台
5現代 狎鴎亭本店江南 狎鴎亭8位1兆ウォン台
6現代 貿易センター店江南 三成洞(サムソンドン)9位1兆ウォン台
7新世界 本店中区 明洞10位1兆ウォン台

目を引くのは現代ソウルだ。2021年に汝矣島にオープンしたときは、デパート商圏として誰も見向きもしなかった立地だった。しかしわずか4年で、狎鴎亭や三成洞といった長年の強者たちを追い抜いた。エルメス、ルイ・ヴィトン、シャネルをひとつも抱えずに1兆ウォンを突破した、唯一のデパートでもある。外国人売上比率が2022年の3.3%から2025年には20%前後まで跳ね上がったことも、この上昇を押し上げた原動力だ。観光客の動線が明洞から、いわゆる「映えスポット」へとシフトした流れが、数字にはっきり表れた格好である。

一方、明洞の新世界本店は、12年ぶりの大型リニューアル工事の影響で10位まで後退した。1935年築の旧第一銀行の建物を活かしてつくられたラグジュアリー専門館「ザ・ヘリテージ」がオープンしたことで、いま再び上昇気流に乗りつつある。


じゃあ、ソウルっ子はどこに行く?

ランキングと愛着は別物だ。ソウルの人にとってデパートとは、ブランド品を買う場所というより、週末の午後を過ごす場所。だから家から近くて、ごはんが美味しいほうが勝つ。売上上位がそのまま人気ランキングにならない理由もここにある。上位店舗の売上を押し上げているのはラグジュアリーブランドとVIP顧客であり、週末に最も混み合うフロアは、地下とポップアップゾーンなのだ。

🍰
新世界 江南店
地下食品館「スイートパーク」が事実上の目的地。スイーツ目当てに来て、ついでに上のフロアを回る順序だ。週末の午後は覚悟して。
🌳
現代(ヒョンデ)ソウル
20〜30代の遊び場。5階「サウンズ・フォレスト」でひと休みし、地下「テイスティ・ソウル」で食べて、ポップアップの列に並ぶ。
🎢
ロッテ 蚕室店
デパート・アヴェニュエル・ロッテワールドモールが一体。子ども連れでまる一日過ごすファミリー層が圧倒的多数だ。
🥂
ギャラリア名品館
ランキングには入っていないが、狎鴎亭の住民にとっては「ご近所スーパー」。地下「グルメ494」は、ソウルのデパ地下ブームの元祖とも言える存在だ。

📍 新世界 江南店 — Naverマップで開く 📍 現代ソウル — Naverマップで開く 📍 ギャラリア名品館 — Naverマップで開く

地元感覚でまとめると:明洞の2店舗(ロッテ本店・新世界本店)には、ソウルっ子はまず行かない。外国人観光客と、贈り物を買いに来た人のためのエリアだ。逆に狎鴎亭のギャラリアは観光客がほぼおらず、週末でも静かに見て回れる数少ないデパートである。

旅行者ならどこを選ぶべき?

目的別おすすめ

  • Kファッション・ポップアップ・映えスポット → 現代ソウル。新進ブランドの密度がソウルで最も高い。
  • ラグジュアリー・免税・ワンストップ → ロッテ本店。明洞の街と免税店が隣接していて、移動が少なくて済む。
  • ギフト向け食品・スイーツ → 新世界江南店「スイートパーク」またはギャラリア「グルメ494」。
  • 子連れ → ロッテ蚕室店。屋内だけで一日が完結する。

もうひとつ豆知識を。デパートの地下食品館はたいてい午前10時30分に開き、夕方7時30分ごろからお弁当や惣菜に割引シールが貼られ始める。ソウルの会社員が退勤後に地下へ吸い込まれていくのは、これが目当てだ。観光客にはあまり知られていない時間帯でもある。

データと出典

  • イシューオン「2025年百貨店売上高ランキング…トップ店舗への集中深刻化」(2026.01.28)
  • テナントニュース「2025百貨店売上公開… 1兆ウォン以上店舗が58.3%」(2026.01.12、訂正報道反映)
  • 韓国金融新聞「現代ソウル、10位→7位へ…百貨店ランキング再編」(2026.02.19)
  • 売上高は流通業界の推定集計値であり、集計機関によって1〜2%の差異があります。

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