まず結論から
- 韓国の電気は220V・60Hz、コンセントは丸いピン2本(Cタイプ・Fタイプ)
- 日本、アメリカ、カナダ、台湾、中国本土、香港、イギリス、オーストラリアから行くなら変換プラグが必要。ドイツ・フランス・インドネシアのプラグはほぼそのまま挿せます
- スマホやノートパソコンの充電器は、ラベルに100-240Vとあれば変換プラグだけでOK。110V専用のドライヤーやヘアアイロンは置いていくのが安全です
- いちばん手軽なのはホテルのフロント。空港やコンビニでも買えますが割高なので、日本から1つ持参するのがおすすめ。韓国でいう「テジコ」は逆向きの製品のことがあるので要注意です
ソウルのホテルに着いて荷物を下ろしたら、まずはスマホの充電。ところが壁に目をやると、見慣れない丸い穴が2つ並んでいます。韓国に遊びに来る友人たちから、いちばんよく聞かれる質問のひとつがこれ。「充電器、そのまま挿して大丈夫?ドライヤーは?」
このガイドでは、その疑問にまっすぐ答えます。韓国の電気の規格は正確にはどうなっているのか。手持ちの機器は変換プラグだけで足りるのか、それとも変圧器まで必要なのか。韓国に着いてから変換プラグをどこで手に入れるか。特に日本から行く人は、プラグの形も電圧も違うので要チェックです。おまけとして、韓国が220Vに切り替えるまでにかかった32年がかりの国家事業の話も少しだけ。
韓国の電圧とコンセントの形は?
韓国は220V・60Hzで、コンセントは丸いピン2本を挿すCタイプ・Fタイプです。 韓国の電気事業法施行規則が定める標準電圧は220V(許容範囲198〜242V)、標準周波数は60Hz(±0.2Hz)。韓国観光公社も英語の案内で、標準電圧は220V・60Hzで「コンセントには丸い穴が2つある」と、ごくシンプルに説明しています。
Fタイプはコンセントの両脇にアース用の金属クリップが付いた形、Cタイプはアースなしで丸いピン2本だけの形です。丸いピンが2本のプラグ(Cタイプ、それにヨーロッパのEタイプ・Fタイプ)なら、韓国の壁のコンセントに挿さります。韓国の人はこのコンセントやプラグの形を돼지코(テジコ)、つまり「豚の鼻」と呼ぶことがあります。政府出資の研究機関である基礎科学研究院(IBS)の外国人向け生活ガイドにも、韓国のコンセントは「韓国語で俗に『豚の鼻』と呼ばれる」と書かれているほどです。
230Vと書かれた資料もあるけど、どっちが正しい?
海外の旅行情報サイトの中には、韓国を230Vと紹介しているところもあります。韓国の法令と韓国観光公社の基準では220Vが正解。ただ許容範囲が198〜242Vなので、ヨーロッパやオーストラリア向けに230V仕様で作られた機器も、たいていは問題なく動きます。正確な対応範囲は機器のラベルで確認してください。
持っていく電化製品、韓国でそのまま使える?
ここは2つに分けて考える必要があります。プラグの形が合うか(変換プラグの問題)、そして機器が220Vに耐えられるか(変圧器の問題)。下の表の変圧器の列は、ラベルに100-240Vと書かれていない単一電圧の機器を前提にしています。
🔌 国別の電気の規格と、韓国で必要なもの(韓国:220V・60Hz・C/Fタイプ)
| 出発する国・地域 | 電圧/周波数 | プラグ | 韓国での変換プラグ | 単一電圧機器の変圧器 | 周波数の違い |
|---|---|---|---|---|---|
| アメリカ | 120V / 60Hz | A, B | 必要 | 必要 | なし |
| カナダ | 120V / 60Hz | A, B | 必要 | 必要 | なし |
| 日本 | 100V / 50·60Hz | A, B | 必要 | 必要 | 東日本(50Hz)の機器は注意 |
| 台湾 | 110V / 60Hz | A, B | 必要 | 必要 | なし |
| 中国本土 | 220V / 50Hz | A, I | たいてい必要 | 不要 | モーター・タイマー付き機器は注意 |
| 香港 | 220V / 50Hz | G | 必要 | 不要 | モーター・タイマー付き機器は注意 |
| ベトナム | 220V / 50Hz | A・C混在 | 丸ピン(C)なら不要、平ピン(A)なら必要 | 不要 | モーター・タイマー付き機器は注意 |
| インドネシア | 230V / 50Hz | C, F | 不要 | 不要 | モーター・タイマー付き機器は注意 |
| イギリス | 230V / 50Hz | G | 必要 | 不要 | モーター・タイマー付き機器は注意 |
| ドイツ | 230V / 50Hz | C, F | 不要 | 不要 | モーター・タイマー付き機器は注意 |
| フランス | 230V / 50Hz | C, E | ほぼ不要 | 不要 | モーター・タイマー付き機器は注意 |
| オーストラリア | 230V / 50Hz | I | 必要 | 不要 | モーター・タイマー付き機器は注意 |
まとめると、こうなります。
- 日本・アメリカ・カナダ・台湾:変換プラグは必ず必要。電圧も韓国の半分ほどなので、単一電圧の機器は変圧器なしでは使えません。
- 中国・香港・イギリス・オーストラリア:電圧は近いので、プラグの形を変えるだけでOK。ただし50Hz用のモーターやタイマー付き家電は、周波数の表示を確認しましょう。
- ドイツ・フランス・インドネシア:たいてい何も要りません。
- ベトナム:丸ピンのプラグはそのまま、平たいピンのプラグは変換プラグが必要です。
ラベルの1行を見ればすべてわかる
充電器や機器の裏にあるINPUTの表示を見てください。100-240V ~ 50/60Hzとあれば、世界中どこでも使える「マルチボルテージ(フリーボルト)」製品なので、変換プラグを付けるだけで済みます。110V、120V、100Vのように数字がひとつだけなら、韓国のコンセントに直接挿してはいけません。スマホやノートパソコン、カメラの充電器はマルチボルテージのことが多いものの、荷造りの前に1分だけ確認しておくと安心です。
変換プラグと変圧器、何が違う?
変換プラグはプラグの形を変えるだけ。変圧器は電圧そのものを変えます。 よく混同されるところなので、違いを並べてみました。
| 種類 | 役割 | 必要になるとき | 重さ・価格 |
|---|---|---|---|
| 変換プラグ | ピンの形を韓国のコンセントに合わせるだけ。電圧はそのまま | 機器が100-240V対応のマルチボルテージのとき | 軽くて安い |
| 変圧器(降圧トランス) | 220Vを110Vや100Vに下げる | 110V・100V専用の機器をどうしても使いたいとき | 重くて手に入りにくい |
IBSの生活ガイドも同じことを書いています。110V専用の機器には降圧トランスが必要だが、それは重くて手に入りにくい、と。旅行者なら変圧器を持ち歩くより、マルチボルテージの機器だけを持っていき、あとは韓国で借りるか買うほうがずっと楽です。
変圧器では周波数までは変わらない
サムスン電子サービスの案内によると、変圧器が変えるのは電圧だけで、周波数(Hz)は変えられません。50Hz用に作られたモーター製品を60Hzで使うと回転が約20%速くなり、内部のタイマーも速く進んで、故障の原因になることがあります。同じ案内では、変圧器を使うなら容量を機器の消費電力の約3倍にするよう勧めています。またIBSは日本の機器を使う人に向けて、市販の変圧器は220Vを100Vではなく110Vに下げるものが多いので、その10Vの差に機器が耐えられるか確認するよう呼びかけています。
韓国でドライヤーやヘアアイロンは使える?
110V・100V専用のドライヤー、カールアイロン、ストレートアイロンは置いていくのがいちばん安全です。 熱を出す美容家電は消費電力が大きく、電圧が合わないとその場で焼き切れるか、そもそも電源が入りません。変圧器を使おうにも、消費電力の3倍の容量に耐えるものはかなり重く、旅先で持ち歩くのは正直しんどいはずです。
代わりにこうしてみてください。
- ラベルに100-240Vとある「海外対応(デュアルボルテージ)」製品なら、変換プラグを付けるだけで使えます。日本政府観光局(JNTO)も訪日客に向けて同じ考え方で、デュアルボルテージのドライヤー、アイロン、シェーバーはそのまま使えると案内しています。
- ホテルのドライヤーを使う。ソウルのホテルは客室にドライヤーを置いているところが多いです。ゲストハウスなら予約前に確認を。
- ダイソンのヘアケア製品は、ダイソンの公式案内によると購入した国の標準電圧に合わせて設計されているので、韓国仕様のものを借りるほうが現実的です。詳しくは持っていかずにソウルで借りたいものにまとめています。
- バッテリー内蔵のコードレスヘアアイロンは、電圧とは関係なく飛行機への持ち込み自体を断られることがあります。韓国発の飛行機のモバイルバッテリー規則で確認してください。
医療機器も同じです。たとえばレスメド(ResMed)のCPAP「AirSense 11」の電源ユニットは、入力が100-240V、50-60Hzと表示されているので、変換プラグさえあれば使えます。医療機器を持って旅行するなら、出国前に電源ユニットのラベルを必ず確認しておきましょう。
韓国で変換プラグはどこで買える?
韓国観光公社の英語の案内に答えがあります。マルチ変換プラグを持っていなければ、ホテルのフロントで借りたり買ったりでき、空港、一般の売り場、大手の免税店、さらにはコンビニでも手に入るそうです。
「テジコ」の落とし穴
韓国で돼지코(テジコ)と呼ばれる変換プラグは、たいてい韓国人が海外旅行で使うための製品です。韓国の220Vのプラグを、アメリカや日本式の110Vのコンセントに挿せるようにするもの。2026年10月1日に韓国ダイソーの公式オンラインストアを確認したところ、「돼지코」のキーワードが付いた1,000ウォンの「110V旅行用アダプタープラグ」はまさにこの逆向きタイプで、外国のプラグを韓国のコンセントに挿す専用の変換プラグは見つかりませんでした。店員さんに韓国語の文を見せれば、話が早いです。
"외국 플러그를 한국 콘센트에 꽂는 어댑터 있어요?"(外国のプラグを韓国のコンセントに挿せる変換プラグはありますか?)
空港やコンビニの変換プラグは割高なので、いちばん確実で安上がりなのは出発前にマルチ変換プラグを買っておくこと。韓国(C/Fタイプ)に対応した全世界対応タイプなら、この先の旅行でもずっと活躍してくれます。USBポート付きを選べば、コンセント1つでスマホとモバイルバッテリーを同時に充電できるので、空いているコンセントが1つしかないホテルの部屋で本当に助かります。
韓国はなぜ220Vなの?
実は韓国も、かつては110Vの国でした。同じ電線でより多くの電気を送り、ロスを減らすために、政府と韓国電力公社(KEPCO)は全国を220Vに切り替える승압 사업(スンアプ・サオプ/昇圧事業)を進めました。1990年のソウル新聞の報道によると、切り替えは1963年に政府主導で決まり、1973年から本格的な工事が始まりました。
韓国の法令の標準電圧の表には今も110Vが載っていて、仁川空港のように110Vの充電設備を別に設けている場所もあります。でも荷造りの段階では、ホテルや宿の壁のコンセントはすべて220Vだと考えておけば間違いありません。
今すぐ充電したいときは
- 仁川空港:旅客ターミナル3階のチェックインエリアと出国エリア、1階の到着ロビー、搭乗棟の出国エリアに、110V・220VのコンセントとUSB充電設備があります(仁川国際空港公社の案内)。
- 地下鉄5号線の新型車両:ソウル市によると、2022年に導入された5号線の新型車両の一部の車両にスマホ充電器が設置されています。すべての列車にあるわけではありません。
荷造り前のチェックリスト
- すべての充電器のラベルでINPUT 100-240Vを確認
- 日本、アメリカ、カナダ、台湾、中国、香港、イギリス、オーストラリアから行くなら、C/Fタイプの変換プラグを1〜2個(USBポート付きがおすすめ)
- 110V・100V専用のドライヤーやヘアアイロンは置いていく→ホテルのものを使うかレンタル
- 50Hzの国(ヨーロッパ、中国、香港、オーストラリアなど)から持っていくモーターやタイマー付きの家電は、ラベルに50/60Hzと書かれているか確認
- 医療機器は出国前に電源ユニットのラベルを確認
- バッテリー内蔵の機器は機内のモバイルバッテリー規則もあわせて確認
スマホのデータ通信については韓国のSIM・eSIMガイドを、道案内アプリについては韓国でGoogleマップがほとんど使えない理由をどうぞ。
データと出典
- 韓国 国家法令情報センター:電気事業法施行規則 別表3(標準電圧・標準周波数)(韓国語)
- 韓国観光公社 VisitKorea:Electricity & Communications
- 基礎科学研究院(IBS)外国人向け生活ガイド:Electricity
- 仁川国際空港 FAQ:110V・220V・USB充電設備
- 日本政府観光局(JNTO):Plug and Electricity
- 桃園市観光サイト:台湾の電気 · Indonesia.travel:Plugs and Electricity · 香港渠務署:About Hong Kong
- サムスン電子サービス:変圧器と50/60Hz(韓国語)
- ResMed:AirSense 11 電源ユニットの仕様
- ソウル市:5号線新型車両の充電器(2022年)(韓国語)
- 韓国ダイソーモール:110V旅行用アダプタープラグ 2個入り(2026年10月1日確認)(韓国語)
- 京郷新聞:220V昇圧事業、32年で完了(2005年) · ソウル新聞:昇圧の進捗状況(1990年)(韓国語)
- 公式の観光機関の資料がない項目(アメリカ・カナダ・中国・イギリス・ドイツ・フランス・オーストラリア、日本とベトナムのプラグ形状)はWikipedia:Mains electricity by countryとWorldStandardsを、ベトナムはハノイ師範大学の学会案内を、中国の電圧はChina Daily 政府ポータルを参照しました。