1974年8月15日、ソウル駅の地下改札の前に列が伸びた。ソウル駅から清凉里(チョンニャンニ)まで7.8km。韓国初の地下鉄1号線がその日、扉を開いた。料金は30ウォンだった。

2026年9月、同じ場所で改札にカードをかざすと、端末に数字が浮かぶ。1,550ウォン。

52年で 51.7

その間、ソウルの地下鉄は1路線7.8kmから首都圏全域を覆う網へと育ち、料金の計算方式は距離比例制からゾーン制へ、そして再び距離比例制へと二度ひっくり返った。紙の切符は磁気カードになり、1996年には世界初の非接触式スマートカードになった。今ではスマホをかざすだけで改札が開く。

この記事は、その52年の数字をたどる記録だ。同時に、2026年9月にソウルへ着いたばかりの人に必要な料金表でもある。そして一つ、急ぎの知らせがある。ソウルの交通パス制度は2026年10月に一度、根こそぎ変わる。

まず結論から

  • 2026年9月現在の料金は、地下鉄1,550ウォン / 幹線・支線バス1,500ウォン / 中型タクシー4,800ウォン。2026年に追加の値上げはなかった。地下鉄は2025年6月28日、バスは2023年8月12日、タクシーは2023年2月1日が最後の値上げだ。
  • 1974年30ウォン → 2026年1,550ウォン = 51.7倍。同じ期間にチャジャン麺は約54倍になった。半世紀の間、ソウルの移動コストはチャジャン麺一杯とほぼ同じ速さで上がってきた。
  • 気候同行カード30日券は2026年9月30日に終了する。ただし旅行者向け短期券(1日5,000ウォン〜7日20,000ウォン)は10月以降も維持される。
1,550ウォン

2026年9月の地下鉄基本運賃(交通カード・一般)。2025年6月28日以降据え置き

51.7

1974年の30ウォン比の上昇倍率。52年間で約24回の値上げ

4,800ウォン

ソウル中型タクシーの昼間初乗り(1.6km)。2023年2月1日以降そのまま

3年7カ月

タクシー料金の据え置き期間。業界は初乗り5,500ウォンへの値上げを求めている

2026年9月、今ソウルで交通費はいくらかかる?

地下鉄1,550ウォン、幹線・支線バス1,500ウォン、中型タクシー4,800ウォン。いずれも交通カード・一般成人基準で、2026年はどの交通手段も値上げされていない。 2026年1月から9月まで、ソウル市が告示した料金改定はない。

下の表が、この記事でいちばん実用的な部分だ。ソウルに着いてから実際に支払う金額のすべてである。

🚇 ソウルの交通手段別料金まとめ(基準:2026年9月、単位:ウォン)

手段色・区分一般(カード)一般(現金)青少年(カード)小人(カード)早朝割引(一般)
地下鉄首都圏電鉄1,5501,6509005501,240
幹線バス1,5001,5009005501,200
支線バス1,5001,5009005501,200
循環バス1,4001,4008005001,120
広域バス3,0003,0001,7001,5002,400
深夜バス青 + N2,5002,5001,6001,400
マウルバス緑(小型)1,2001,200600400960
中型タクシー初乗り1.6km・昼間4,8004,800

青少年は満13〜18歳、小人は満6〜12歳だ。満6歳未満の乳幼児は保護者1人につき3人まで無料。地下鉄の一回用交通カードでは、青少年も一般と同じ1,650ウォンを払う。青少年・小人割引は交通カードでのみ適用される。

2026年10月の警告: 気候同行カード 30日券は2026年9月30日にサービスが終了し、後払いサービスは2026年10月1日に終了する。30日券は2026年9月に登場したみんなのカード(モドゥイカード)基盤の気候同行パスに吸収される。ただし旅行者が実際に使う短期券(1・2・3・5・7日券)は10月以降も維持される。つまり数日間の旅行なら何も変わらず、1カ月以上ソウルに滞在する予定なら10月からは30日券を買えなくなる。既存の30日券利用者の返金・残存期間の取り扱い方針と後続の気候同行パスの正確な価格は、この記事を書いている時点で公式に確認できていない。

30ウォンはどうやって1,550ウォンになった?

52年間で約24回値上げされた。上げ幅は10ウォン → 50ウォン → 100ウォン → 150ウォンの順に大きくなり、途中に8年の据え置き期間が二度挟まっている。

パターンを見ると、ソウルの地下鉄料金の歴史は、実は上げ幅の歴史だ。1974年から1982年までは一度に10ウォンずつ上がった。1980年1月だけ、一度だけ20ウォン上がった。1984年8月、110ウォンから140ウォンへ30ウォン上げたのが、10ウォン単位を外れた最初の例だ。1990年代は50ウォン単位、2000年代は100ウォン単位、2012年からは150ウォン単位になった。

🚇 首都圏地下鉄の基本運賃の変遷 1974〜2026(一般・交通カード基準、単位:ウォン)

施行時点基本運賃上げ幅制度・技術の変化
1974.08.15301号線ソウル駅〜清凉里が開通。距離比例制 + エドモンソン切符
1974〜198230 → 80ウォン台主に+101980年1月のみ例外で+20
1984.08140+30110 → 140ウォン。10ウォン単位を外れた最初の値上げ
1985金額未確認距離比例制の廃止 → 市内ゾーン制 + 市外移動区間制。磁気紙切符の導入
1986.12.292001980年代だけで7回の値上げ
1990.12.31250+501990年代は250ウォンで始まり、計6回の値上げ
1993.02.10300+50
1994.01.15350+50
1995.11.20400+50
1996400世界初の非接触式スマートカード(Upass)を導入
1997.07.04450+50
1999.01.18500+50交通カードが本格普及
2000.09.01600+1002000年代は600ウォンで始まり、計4回の値上げ
2003.03.10700+100
2004.07.01800+100全区間の距離比例制に復帰(基準距離12km)+ バス乗り継ぎ割引を導入
2007.04.01900+100首都圏統合乗り継ぎ割引を施行。 基準距離を10kmに調整
2007〜2012900据え置き4年の据え置き
2009.02.01900磁気紙切符 → 一回用IC交通カード(保証金制)
2012.02.251,050+150上げ幅150ウォンの時代へ。1974年比35倍(21回目の値上げ)
2015年1,250+200過去最大の上げ幅
2023年10月1,400+1508年ぶりの値上げ。一回用カード1,500ウォン
2025.06.281,550+150一回用カード1,650ウォン。青少年800→900、小人500→550
2026.09現在1,550据え置き2026年の追加値上げなし

ソウル研究院の公共交通資料は、1986年12月29日以降の値上げを日付単位まで記録しているが、それ以前の10年余りの個別の値上げ日は残された記録がまちまちだ。

注目すべきは二度の長期据え置きだ。2007年4月に900ウォンへ上げた後、2012年2月まで4年10カ月、そして2015年の1,250ウォン以降、2023年10月まで8年超、料金は据え置かれた。この二度の据え置きが、後述するソウル交通公社の赤字の直接の原因だ。

距離比例制とは何か

乗った距離だけ料金を払う方式だ。ソウルの地下鉄は1974年の開通時に距離比例制で始まり、1985年にゾーン制へ変わり、2004年7月1日に再び距離比例制へ戻った。2026年現在の構造はこうだ。

  • 10kmまでは基本運賃1,550ウォン
  • 10km超〜50kmは5kmごとに100ウォン加算
  • 50km超は8kmごとに100ウォン加算

つまり50kmを超えると加算のペースが遅くなる。長距離の利用者に有利に設計された構造だ。青少年は加算運賃も5kmごとに80ウォン、小人は50ウォンに割り引かれる。

ここでニューヨークとの違いが見える。ニューヨークの地下鉄は距離に関係なく均一の3ドルだ。ソウルは10kmを超えると少しずつ上がる。ソウル市内の移動の大半は10km以内なので基本運賃で済むが、水原(スウォン)や仁川(インチョン)まで行くと2,000ウォンを超えてしまう。


タクシーはなぜ3年7カ月も4,800ウォンのまま?

2023年2月1日に3,800ウォンから4,800ウォンへ上げた後、一度も調整されていないからだ。2026年6月の地方選挙を前に値上げの議論は先送りされ、9月現在まで4,800ウォンが維持されている。

ところが、2023年の値上げには隠れた数字が一つある。発表された上げ幅は26%だったが、同じ日に初乗り距離が2kmから1.6kmへ20%短くなった。

昔は2kmを3,800ウォンで行けた。今、同じ2kmを行くには、初乗り4,800ウォンに1.6kmを超えた400m分の料金が加わる。131mごとに100ウォンだから約300ウォン。合計で約5,100ウォンだ。3,800ウォン → 5,100ウォン、実質の上げ幅34%。

🚕 ソウル中型タクシーの初乗り料金の変遷 1963〜2026(単位:ウォン)

時点初乗り料金初乗り距離備考
1963302kmソウルのタクシー料金記録の出発点
1966金額未確認2km史上初の値上げ。初乗り・距離料金とも2倍
197290ソウル研究院の日常消費生活指標
1982600深夜20%割増を初めて施行
1985時間・距離の相互併算制を導入
1988800
1994同時併算制へ変更。 現行方式の基礎
19981,3001,000 → 1,300ウォン。+30%。IMF直後
20011,6002km+23%
20092,4002km
2013年10月3,0002km
2019年2月3,8002km+26%
2023.02.014,8001.6km+26%。初乗り距離2km → 1.6kmに短縮
2026.09現在4,8001.6km3年7カ月据え置き。業界は5,500ウォンを要求

1963年の30ウォンから2026年の4,800ウォンまで160倍だ。ただし起点を1972年の90ウォンに置くと53.3倍で、地下鉄の51.7倍とほぼ同じ軌跡になる。

旅行者にとってより重要なのは割増の構造だ。ソウルのタクシーは時間帯によって、同じ距離を走っても料金が60%まで変わる。

🚕 ソウルのタクシー料金の計算構造と割増(基準:2026年9月)

項目中型タクシー大型・模範タクシー
初乗り(昼間)4,800ウォン / 1.6km7,000ウォン / 3km
距離料金131mごとに100ウォン151mごとに200ウォン
時間料金(時速15km以下)30秒ごとに100ウォン36秒ごとに200ウォン
深夜割増 22:00〜23:00+20%+20%
深夜割増 23:00〜02:00+40%+20%
深夜割増 02:00〜04:00+20%+20%
市外(ソウル外)割増+20%+20%
重複適用の最大+60%+40%
深夜の初乗り実額約5,800〜6,700ウォン

中型タクシー基準で夜11時から午前2時がいちばん高い。 40%の割増がつき、初乗りだけで6,700ウォン水準になる。ここにソウルを出れば20%が加わり、最大60%の割増だ。メーターの最終金額は10ウォン単位で四捨五入され、高速道路・有料道路の通行料は乗客が実費で負担する。

タクシーに乗る前に知っておきたいこと

  • カカオT(Kakao T)が韓国タクシー配車の標準だ。英語インターフェースがあり、海外のクレジットカード登録もできるが、一部のカードは拒否される。電話配車料は昼間1,000ウォン / 夜間2,000ウォンで、アプリ配車料は事業者ごとの申告基準により別途かかる。
  • カカオベンティ・ブラックのようなプレミアム車両は、初乗り6,000〜8,000ウォンに弾力的な配車が0.7〜4.0倍でかかる。需要が集中すると料金は最大4倍まで跳ねる。金曜の夜に江南(カンナム)・弘大(ホンデ)で何も考えずにつかまえると、予想の数倍を払うことになる。
  • 仁川空港とソウルを結ぶ外国人観光タクシーは定額制だ。中型70,000〜95,000ウォン、大型100,000〜140,000ウォン。時間貸切は70,000〜240,000ウォン。メーター料金より高くなることがあるが、金額が確定している。
  • タクシーはソウルの交通手段の中で唯一、交通カードの乗り継ぎ割引が適用されない。地下鉄を降りてタクシーに乗ると、料金は最初から計算し直される。

バス料金はなぜ187倍も上がった?

出発点が極端に低かったからだ。1965年のソウル市内バス料金は8ウォンだった。2026年の1,500ウォンまで187.5倍だ。地下鉄(51.7倍)やタクシー(53.3倍)と比べものにならない上昇率だが、地下鉄は1974年にすでに30ウォンで始まったという違いがすべてだ。

🚌 ソウル市内バスの一般料金の変遷 1965〜2026(単位:ウォン)

時点市内バス一般料金備考
19658記録の出発点
1970年代15 → 80
1980年代200未満を維持
1998500
2000600
2004.07800準公営制の導入 + 統合乗り継ぎ体制の改編
2007900地下鉄と同一料金
20121,050地下鉄と同一料金
20151,200地下鉄の1,250ウォンと分かれる
2023.08.121,5001,200 → 1,500ウォン
2026.09現在1,500据え置き

面白い事実が一つある。2012年まで、ソウルの地下鉄と市内バスの料金は完全に同じだった。 値上げの時期も、上げ幅も同じだった。2007年900ウォン、2012年1,050ウォン。二つの料金が分かれたのは2015年からだ。地下鉄は1,250ウォン、バスは1,200ウォン。その50ウォンの差が、2026年には地下鉄1,550ウォン、バス1,500ウォンとしてそのまま維持されている。

2004年7月は、ソウルのバス史で最も大きな転換点だった。準公営制が導入され、色の体系が作られた。民間企業が運行するが、ソウル市が財政を支援し、路線権を管理する方式だ。2026年1月基準で市内バスは64社・7,383台が396路線を、マウルバスは140事業者・1,626台が253路線を運行している。停留所は沿道6,307カ所、中央車路379カ所だ。

バスの色が料金を示す

  • 青(幹線) — 都心と副都心を結ぶ長距離路線。3桁の番号。1,500ウォン
  • 緑(支線) — 幹線・地下鉄へつなぐフィーダー路線。4桁の番号。1,500ウォン
  • 黄(循環) — 都心循環。2桁の番号。1,400ウォン
  • 赤(広域) — 首都圏の外縁からソウル都心へ直結。座席制。3,000ウォン
  • 緑小型(マウル) — 町単位。1,200ウォン

赤いバスだけ料金が2倍だ。そして気候同行カードでは乗れない。色だけ見て判断すればいい。


51.7倍は上がりすぎ?

絶対倍率で見れば大きく上がったが、同じ期間の他の物価と比べれば平凡だ。そして所得に対する負担で見ると、むしろ3分の1に減った。

まずチャジャン麺と比べてみよう。1976年、チャジャン麺一杯は138ウォンだった。2026年現在は7,000〜8,000ウォン水準だ。約54倍。

51.7

地下鉄51.7倍。タクシー53.3倍。チャジャン麺約54倍。半世紀の間、ソウルで移動するコストとチャジャン麺一杯の値段は、事実上同じ速さで上がってきた。

📈 同時代の物価対照表(単位:ウォン、年は資料基準)

品目1963197619801991199520002026年9月
地下鉄基本運賃30 (1974)80250 (1990)4006001,550
市内バス8 (1965)15〜80200未満6001,500
タクシー初乗り3090 (1972)600 (1982)1,600 (2001)4,800
チャジャン麺20〜301383501,4002,5003,000約7,000〜8,000
米80kg3,01010,000超 (1972)202,532未確認
最低賃金(時給)制度なし制度なし制度なし8201,86510,320

2026年のチャジャン麺の平均価格と米価は、この記事では公式統計として確定できなかった。チャジャン麺の価格は市中の体感価格に基づく推計値なので、54倍という数値もおおよその規模として読むべきだ。

より誠実な比較は、所得に対する負担だ。最低賃金を1時間稼いで、地下鉄に何回乗れるか。

📈 最低賃金1時間で乗れる地下鉄の回数(基準:2026年9月)

最低賃金(時給)地下鉄基本運賃1時間 = 乗車回数
1988462.5ウォン200ウォン2.3回
1991820ウォン250ウォン3.3回
20001,865ウォン600ウォン3.1回
20073,480ウォン900ウォン3.9回
20155,580ウォン1,250ウォン4.5回
20208,590ウォン1,250ウォン6.9回
202510,030ウォン1,550ウォン6.5回
202610,320ウォン1,550ウォン6.7回

1988年には、最低賃金を1時間稼いで地下鉄に2回ちょっと乗れた。2026年には6.7回乗れる。同じ期間、料金は200ウォンから1,550ウォンへ7.75倍になったが、最低賃金は462.5ウォンから10,320ウォンへ22.3倍になった。名目料金は上がり、体感負担は3分の1に減った。

ピークは2020年だった。最低賃金8,590ウォンに料金が1,250ウォンで据え置かれ、6.9回だった。2023年と2025年の二度の値上げで、2026年は6.7回へとわずかに後退した。


なぜソウルの地下鉄は東京より安い?

料金を抑え込んできたからであり、その代償として運営会社が莫大な赤字を抱えているからだ。ソウル交通公社の累積赤字は約18兆9,000億ウォンで、一日の利子だけで3億ウォン以上が出ていく。

まず国際比較を見よう。下の表には2026年の金額が公式に確認できた都市だけを入れた。

🌏 世界の主要都市の地下鉄基本料金の比較(基準:2026年9月、現地通貨のまま)

都市運営機関基本(最低)料金料金方式
ソウルソウル交通公社など1,550ウォン(交通カード)距離比例制。10kmまで基本運賃
東京東京メトロ¥178(ICカード)/ ¥180(切符)距離比例制。¥178〜¥324
ニューヨークMTAUS$3.00均一制。距離に関係なし
パリRATP / Île-de-France Mobilités€2.55(メトロ・RER単一券)単一券。バス・トラム単一券は€2.05

ウォン換算はしていない。2026年9月基準の為替レートをこの記事で確定できなかったし、換算額を間違えると読者が実際に損をする可能性がある。ロンドン・シンガポール・香港・バンコクの2026年の確定基本料金も、公式サイトで確認できず表から除外した。

ちなみに東京メトロの料金は2025年基準で変動がなかったが、JR東日本は2026年3月から山手線などの運賃を平均7.1%値上げした。東京でJRに乗ると、地下鉄より高くなることがある。

ニューヨークとパリはソウルよりはっきり高い。ニューヨークの3ドルは距離に関係ない均一料金なので、ブルックリンからブロンクスまで1時間乗っても3ドルだ。ソウルで同じ距離を行くと、距離比例の加算運賃がつく。それでもソウルは安い。

ソウルが安いのは効率ではなく赤字のせい

ソウル交通公社の2024年の財務成績はこうだ。

  • 当期純損失 7,241億ウォン
  • 営業損失 9,455億ウォン(売上高2兆681億ウォン)
  • 負債7兆3,473億ウォン / 資産15兆8,035億ウォン / 負債比率86.89%
  • 累積赤字 約18兆9,000億ウォン、一日の利子 3億ウォン以上

そしてこの赤字のかなりの部分が無賃乗車だ。年間の無賃乗車人数 751万人、年間損失額 約4,000億ウォン。 2024年の営業損失9,455億ウォンの約42%だ。残る5,455億ウォンは、純粋に運賃が原価に届かないことで生じた差だ。

2015年の1,250ウォンから2023年10月の1,400ウォンまで8年間据え置いたことが、この赤字を膨らませた直接の原因と指摘される。ソウルの地下鉄がパリの半額でニューヨークよりずっと安いのは、運営が格別に効率的だからではなく、料金が原価以下に縛られているからだ。

65歳以上は本当に無料で乗れる?

韓国に住民登録を置く満65歳以上は、都市鉄道を無賃で利用する。ただし65歳以上の外国人観光客は対象外だ。

無賃の対象は満65歳以上の高齢者、障害者、国家有功者、そして保護者が同伴する満6歳未満の乳幼児(保護者1人につき3人)だ。無賃利用には優待用交通カードか有効な身分証明書が必要になる。制度が住民登録を基準に発行される優待用交通カードに載っているため、短期滞在の外国人には適用されない仕組みだ。

制度の根は、1981年に制定された老人福祉法の敬老優待条項にある。1980年に70歳以上の50%割引で始まり、1982年に65歳以上の50%割引、1984年に65歳以上の都市鉄道全額無賃へと拡大されたと伝えられているが、1984年の施行時点の一次資料はこの記事では確定できなかった。

無賃年齢を70歳へ引き上げる議論は2023年に本格化し、2025年の料金値上げ局面で再び燃え上がった。2026年9月現在、法定の無賃年齢は65歳で維持されている。

注意点がある。法定の無賃対象者でも、証明なしで乗ると不正乗車として処理される。付加金は最大10万ウォン水準だ。


旅行者はどのカードを買うべき?

3日以上ソウル市内だけで動くなら、気候同行カードの短期券がいちばん安い。それより短いか、首都圏の外縁・空港まで出るなら、T-money(ティーマネー)のチャージ式カードが無難だ。

気候同行カードは、2024年1月23日に販売を始め、その年の7月1日に本事業へ転換されたソウル市の乗り放題定期券だ。30日券は2026年9月30日に終わるが、旅行者向けの短期券は10月以降も残る。

🎟️ 気候同行カードの券種と価格(基準:2026年9月、単位:ウォン)

券種価格2026年10月以降
短期1日券5,000維持
短期2日券8,000維持
短期3日券10,000維持
短期5日券15,000維持
短期7日券20,000(青少年13,000)維持
30日券 一般62,0002026.09.30終了
30日券 青年(19〜34歳)55,0002026.09.30終了
30日券 青少年(13〜18歳)55,0002026.09.30終了
後払い決済2026.10.01終了

地下鉄1,550ウォンを基準に計算すると、1日券5,000ウォンは一日4回以上乗るときから得だ。3日券10,000ウォンは3日間で7回、7日券20,000ウォンは1週間で13回以上乗れば元を超える。ソウルで一日に4回移動するのは珍しくない。

利用範囲が問題だ。地下鉄は1〜9号線と京義・中央線、京春線、空港鉄道、西海線、水仁・盆唐線、牛耳新設線、新林線、京江線のソウルおよび隣接区間で使える。バスはソウル市内バス、マウルバス、漢江バスが対象だ。タルンイ(公共自転車)といくつかの文化施設の割引も付く。

気候同行カードの3大落とし穴: 広域バス(赤)空港バス新盆唐線(シンブンダンソン)は気候同行カードで乗れない。短期券も同じだ。そして空港鉄道はソウル区間の範囲内でのみ適用される。仁川空港まではカバーされない。空港から市内へ入る最初の移動には気候同行カードを使えないと考えておくのが安全だ。

T-moneyカード実践ガイド

  • どこで買うか — コンビニ(GS25・CU・セブンイレブン)と地下鉄駅の自動販売機で売っている。カードの発行費は2,500〜4,000ウォン水準で、その上に好きな金額をチャージして使う。発行費そのものは返金されない。
  • どこで使うか — 地下鉄、バス、タクシー、コンビニ決済までできる。キャッシュビー(Cashbee)も機能は同じで、全国で互換性がある。
  • 残高の返金 — 帰るときにコンビニなどで残った残高を現金で返してもらえる。手数料が500ウォン前後かかる。正確な発行費と返金手数料は、T-moneyの公式案内で確認するのがよい。
  • カードなしでもOK — NFC対応の海外クレジット・デビットカードやスマホを、そのまま改札にかざせる。短い旅行ならカードを買わない選択肢もある。
  • 一回用交通カード — 駅の発券機で片道乗車券を買うこともできる。交通カード運賃に100ウォンが上乗せされ、保証金500ウォンを別に払った後、到着駅の保証金返却機で戻す。返却機を素通りすると500ウォンを捨てることになる。

ソウル交通公社の地下鉄定期券もあるが、この記事では種類と価格を確定できなかった。ただし定期券は一般的に地下鉄専用でバスへの乗り継ぎができない。 バスと地下鉄を混ぜて乗る旅行者には、気候同行カードの短期券が向いている。

外国人専用パスとしては**ディスカバーソウルパス(Discover Seoul Pass)**がある。24・48・72時間券で観光地の無料入場が付き、T-money交通カード機能が内蔵されている。ただし交通費はチャージ残高から差し引かれる方式なので、乗り放題ではない。 2026年の価格は公式サイトで確認する必要がある。

料金を節約する方法は?

いちばん確実なのは乗り継ぎルールを守ることで、二つ目は午前6時30分前に始発に乗ることだ。この二つを知っていれば、ソウルの交通費はほぼ最適化される。

首都圏統合乗り継ぎ割引は2007年4月1日から施行された。地下鉄とバスを乗り換えるとき、基本料金を払い直さず、累積移動距離基準の距離比例分だけを追加で払う制度だ。

乗り継ぎと割引のルール

  • 降車タッチは必須だ。バスを降りるときにカードを端末にかざさないと、乗り継ぎの特典はその場で消える。ソウルで旅行者がいちばんよく損をするポイントだ。地下鉄は改札を出ながら自動でタッチされる。
  • 30分以内に別の手段に乗らないと乗り継ぎは適用されない。ただし21時から翌7時までは60分に延びる。夜は余裕がある。
  • 最大4回の乗り継ぎ(合計5回の乗車)まで認められる。
  • 同じ番号のバスに再び乗るのは乗り継ぎと認められない。一駅乗り過ごして反対方向に戻るには、料金を払い直すことになる。
  • 早朝割引 — 始発から午前6時30分までに最初に乗車すると、基本運賃の20%が割り引かれる。交通カード専用だ。地下鉄1,240ウォン、幹線バス1,200ウォン、広域バス2,400ウォン。明け方に動く予定なら実際に体感できる。
  • 深夜の時間帯はタクシーよりフクロウバス(Nバス)だ。料金2,500ウォンで、深夜割増タクシー(6,700ウォンから)の半分以下だ。青い車体にNの付いた番号で走っている。

乗り継いでも追加の負担が生じる区間がある。独立運賃路線だ。新盆唐線は区間によって500〜1,900ウォンが別途かかり、空港鉄道の青羅国際都市〜仁川空港第2ターミナル区間も統合乗り継ぎから外れた別途運賃だ。龍仁エバーラインは200ウォン、議政府軽電鉄とGTX-Aも独立した体系だ。地図アプリが案内した料金が改札で打たれた金額と違ったら、たいていはこれらの路線のせいだ。

空港鉄道は直通列車(Express)と一般列車(各駅停車)に分かれる。直通はソウル駅から仁川空港第2ターミナルまで無停車で43分、表定速度75km/hだ。一般列車はすべての駅に止まり、60分前後がかかり、表定速度は58km/hだ。大人・小人・外国人割引の料金体系が別にあるが、この記事では料金金額を公式サイトで確認できなかった。金額は必ず空港鉄道の公式サイトで確認してから乗ることを勧める。 料金を間違えると実際に損をする部分なので、推計値は書いていない。


2026年10月に何が変わる?

ソウルの交通パス制度全体が再編される。気候同行カード30日券の終了、後払いサービスの終了、そして国の還付制度の改名と時限割引の終了が、同じ時点で重なる。

K-パスは2024年5月1日に施行された国土交通部の公共交通還付制度だ。アルトゥル交通カードの後継だった。この制度が2026年8月12日にみんなのカードへ名前を変えた。 一カ月前の話だ。

💳 みんなのカード(旧K-パス)の還付率(基準:2026年9月)

類型基本還付率時差出退勤の時間帯
一般20%50%
青年・2子・高齢者30%60%
3子50%80%
低所得53.3%83.3%

2026年に変わったことが多い。月60回の上限と1日2回の制限が廃止され、高齢層の還付率が20%から30%へ上がった。基準金額の超過分を全額還付する定額型も新たにできた。定額型の基準金額は一般62,000ウォンだったが、車両5部制と連動して2026年4月から9月まで時限的に30,000ウォンまで下がった。 青年・2子・高齢者は25,000ウォン、3子・低所得は22,000ウォンだ。

問題は、この時限引き下げが9月に終わるという点だ。気候同行カード30日券の終了とまったく同じ時点である。

ただしみんなのカードは外国人旅行者には事実上当てはまらない。 資格が韓国国内の住民登録地域を基準に決まり、対象が満19歳以上の地域住民なので、短期訪問者は利用できない仕組みだ。2026年2月4日から全国すべての地域住民へ拡大されたが、その拡大は国内居住者に向けたものだった。

2026年10月、旅行者が実際にすべきこと

  • 短期旅行者(7日以内) — 変わることはない。気候同行カードの短期券は維持される。1日5,000ウォン、3日10,000ウォン、7日20,000ウォン。
  • 1カ月以上の滞在者 — 10月からは62,000ウォンの30日券を買えない。後続の気候同行パスの価格と条件を確認する必要がある。
  • 10月以降の情報 — ウェブに残っている2026年上半期の案内記事は、30日券基準で書かれたものが多い。日付を確認して読むべきだ。

では、52年の結論は何か

1974年の30ウォンから2026年の1,550ウォンまで51.7倍。この数字は大きく見えるが、同じ期間のチャジャン麺の値段とほぼ同じ速さで、所得に対しては負担が3分の1に減った。ソウルの地下鉄は東京と同程度で、パリやニューヨークよりはっきり安い。

その安い料金の裏側に18兆9,000億ウォンの累積赤字がある。2024年一年の営業損失9,455億ウォン、そのうち4,000億ウォンが無賃乗車の分だ。ソウル市は8年据え置き、2年の間に二度値上げした。そしてタクシーは今3年7カ月止まったままで、業界は5,500ウォンを要求している。

ソウルで改札を通りながら打たれる1,550ウォンは、52年の政治的決定が積み重なった数字だ。次の数字がいつ、いくらになるかはまだ決まっていない。


データと出典