ソウルの地下鉄路線図で1号線と6号線が交わる石渓(ソッケ)駅は、たいてい乗り換えで通り過ぎるだけの駅です。でも降りてみると、駅名そのものがこの町の性格を物語っています。石串洞の「石」と月渓洞の「渓」。二つの町がどちらも名前を譲らず、半分ずつ分け合った駅なのです。

出口を出るとポジャンマチャ(屋台)のテントと軽食の屋台が並び、線路沿いに一駅北へ歩けば、光云大学の学生が平日の昼ごとに行列をつくる路地に着きます。その間、月渓洞の路地には2000年から自家製麺を打ち続けるカルグクスの店があります。観光客向けの町ではありません。帰宅途中の会社員が一杯ひっかけ、試験を終えた学生が集まり、住民がふだんの火曜日に食べる町です。

この記事が扱うのは、石渓駅の北側(蘆原区月渓洞側)から光云大駅まで、そして月渓洞の住宅街です。石渓駅の南側、石串洞側の店は石串洞・懿陵ローカルガイドにまとめています。

まず結論から

  • 石渓駅(1号線・6号線)は夜のポチャ、光云大駅(1号線・京春線)は学生街のごはん。両駅は1号線で一駅です。
  • 石渓駅の月渓洞側の出口周辺にはポジャンマチャと屋台の軽食が集まっています。行くなら日が暮れてから。
  • 月渓洞の住民のお昼は自家製麺のカルグクス、ポッサム、手づくりトンカス。チェーン店より古い個人店が強い町です。
  • 光云大へ続く光云路はカツ・トンカス・寿司など、一人でも入りやすい学生向けの店が中心。平日のお昼は行列を覚悟して。
  • 駅周辺は再開発の真っ最中。旧物流用地に大型複合施設「ソウルワン」が2028年の完成を目指して建設中です。

石渓・光云大・月渓はソウルのどこ?行き方は?

ソウル北東部、蘆原区(ノウォング)の南端です。 南は城北区石串洞、東へ中浪川(チュンナンチョン)を渡れば中浪区、西へ牛耳川(ウイチョン)を渡れば江北区。月渓洞は二つの川に挟まれた半月形の町だと紹介されることもあります。

旅行者にとって大事なのは路線です。石渓駅は1号線と6号線の乗り換え駅なので、鍾路・清凉里方面(1号線)からも、梨泰院・合井方面(6号線)からも乗り換えなしで来られます。光云大駅は石渓駅から1号線で北へ一駅です。

39,420人/日
石渓駅の1日平均乗降客数(2025年、1号線15,080人+6号線24,340人)
2013年
城北駅が光云大駅に改称された年(2月)。駅はもともと蘆原区月渓洞にありました
3,032戸
光云大駅横の旧物流用地に建つ「ソウルワン・アイパーク」の規模
2028年
光云大駅一帯の再開発(ソウルワン)の完成目標。着工は2024年

どの駅で降りる?

  • 石渓駅:夜のポチャと飲みが目的なら。1号線と6号線のホームは階が違い、乗り換え通路が長いので、乗り換えるなら時間に余裕を。
  • 光云大駅:学生街のランチが目的なら。駅前が工事中なので、出口の動線が変わることがあります。
  • 歩いてつなぐ:両駅の間は線路沿いの石渓路(ソッケロ)でつながり、道の両側に町の食堂が並びます。昼は光云大側、夜は石渓側へ下ってくる順番が自然です。

駅名に町の物語が隠れているって本当?

どちらの駅も、名前をめぐって争いや混乱があった駅です。 この町の性格を知るには、ここから入るのがいちばんです。

石渓駅と光云大駅、名前の事情

  • 石渓駅(1985年に1号線開業):1984年の建設時、石串洞と月渓洞の住民がそれぞれ自分の町の名前を求め、結局「石串」の石と「月渓」の渓を取って石渓(ソッケ)になったと言われています。2000年に6号線が入り、乗り換え駅になりました。
  • 光云大駅(2013年改称):もとの名前は城北駅。駅は蘆原区月渓洞にあるのに、名前のせいで城北区にあると思う人が多かったのです。月渓洞住民の長年の要望を受け、2013年2月、隣の大学の名を取って光云大駅になりました。
  • 入営列車の駅:1970〜80年代、城北駅は兵役に向かう若者が列車に乗って旅立つ駅だったという記録があります。その時代を知る世代には、今も「城北駅」の名のほうがなじみ深いようです。
  • セメント工場から「ソウルワン」へ:駅横の広い敷地には長くセメント工場と物流倉庫がありました。いまその場所でHDC現代産業開発の複合施設「ソウルワン」が建設中です。マンション、ホテル、ショッピングモール、本社社屋が入り、GTX-C線の停車も計画されています。

つまり今の石渓・光云大は過渡期の町です。駅横の旧物流用地は工事現場で、その奥の月渓洞の山すそには連立住宅や平屋のブロック住宅が残っています。駅の近くにはコシウォン(小さな下宿部屋)やワンルームが集まり、学生や一人暮らしの若者が多く住んでいます。数年後には商店街の地図がかなり変わりそうなので、今の路地を見たいなら今のうちです。


石渓駅のポチャ通りでは何を食べる?

日が暮れたら石渓駅の月渓洞側の出口へ。 花郎路(ファランノ)沿いにビニールテントのポジャンマチャと軽食の屋台が続きます。1番出口のバス停前にはトッポッキとおでん中心の屋台が並び、2番出口側では海鮮チヂミやコルベンイ素麺を出すポチャが帰宅途中の客を迎えます。

客は観光客ではなく、1号線と6号線を乗り換える前に一杯やりたい会社員と、近くの大学の学生たちです。つまみ一皿を二、三人で分けるスタイルなので、一人より二人以上で行く店です。

イルボンジ・ポジャンマチャ(일번지포장마차)

石渓駅1番出口近く、花郎路337-4のポチャ。海鮮メニューが幅広く、ムルフェ(冷たい刺身スープ)、ヒラメ・メバルの刺身、ワタリガニ鍋、タラコ鍋、テナガダコ炒めに、コプチャン炒めやキムチチゲまであります。ダイニングコードに載った人気メニューでは、コプチャン炒めやチュクミ(イイダコ)が1万ウォン台前半、ムルフェが3万ウォン前後です(2026年10月オンライン時点)。ブログには午後2時ごろ開店して深夜まで営業、火曜定休という記録があります。

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石渓駅8番出口(석계역8번출구)

店名が「石渓駅8番出口」というポチャです。ところが実際の場所は2番出口側(花郎路347-1、月渓洞)なので、初めての人はたいてい迷います。海鮮チヂミとホッケ焼きが1万ウォン台半ば、コルベンイ素麺(ツブ貝の辛い和え物と素麺)が2万ウォン前後、スープトッポッキに餃子を添えたメニューも。2026年に入っても口コミが途切れない、現役のポチャです。

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マシッソ・モゴバ(마시써 머거바)

お酒より軽食なら、駅ビル1階(花郎路341)のトースト店へ。看板の「シェイクジョン・トースト」は厚切りサムギョプサル、トッカルビ風パティ、モッツァレラ、ソーセージ、キャベツをまとめて挟んだ屋台トーストで、常連の口コミを見ると5,000ウォンから5,500ウォンに値上がりしています。一緒に出るおでんスープも評判。乗り換えの途中でお腹がすいたときにちょうどいい場所です。

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石渓駅のポチャで気をつけたいこと

  • つまみは2〜3人前サイズ。一人なら屋台の軽食やトースト、ポチャは連れがいるときに。
  • 屋台は現金が早い。テントのポチャはほとんどカードが使えますが、軽食の屋台は現金か口座振込が楽です。
  • 屋台の衛生状態は店しだい。客が多く回転の速いところを選びましょう。
  • 終電を確認。1号線と6号線は終電時刻が違い、乗り換え通路も長めです。

月渓洞の住民はどこで食べている?

石渓駅と光云大駅の間、石渓路の路地です。 線路と平行に延びる道の内側に町の食堂が続きます。観光客向けの看板も外国語メニューもほとんどありませんが、昼どきに住民が並ぶ店は確かにあります。

🍜
ムミョン・カルグクス
2000年創業のカルグクス店。自家製麺とアサリたっぷりの海鮮カルグクス。
🥬
オンマ・マヌル・ポッサム
ダイニングコードの月渓洞ランキング上位のポッサム店。夜の一杯向き。
🍖
ホジェ・トンカス
石渓駅近くの地下にある手づくりトンカス店。2025年末の地元グルメリストに登場。
🔥
麻浦ヨンタン・プルコギ
石渓路の路地にある練炭焼きプルコギの店。名前は麻浦でも、れっきとした月渓洞の店です。

ムミョン・カルグクス(무명칼국수)

石渓路7ギル4。このあたりの人にカルグクス(韓国式手打ちうどん)と言えば、まず名前が挙がる店です。2000年開業で、麺は今も自家製。看板はアサリが山盛りの海鮮カルグクス、ニンニクの香りが強い鶏カルグクス、手づくりのワンマンドゥ(大きな餃子)で、いずれも9,000ウォン、夏限定の黒豆コングクスは10,000ウォンです(2026年10月オンラインメニュー時点)。量が多く、浅漬けキムチの評判も上々。年配の常連や家族連れが多く、混む時間は待ちが出て、材料がなくなると早じまいする日もあります。

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オンマ・マヌル・ポッサム(엄마마늘보쌈)

ダイニングコードの「月渓洞」ランキングで、ムミョン・カルグクスと並んで上位に入るポッサム(ゆで豚)の店。店名どおり「お母さんのニンニクポッサム」が主役です。ポッサムは韓国ではお酒のつまみなので、昼より夜向き。石渓駅のポチャがにぎやかすぎると感じたら、こちらが選択肢になります。

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ホジェ・トンカス(호재돈까스)

石渓路3ギル15-1の地下1階にある手づくりトンカスの店。2025年12月にまとめられた光云大周辺のグルメリストにも名前があります。薄く大きく叩いて揚げる韓国式トンカスが気になる人は、ソウルの韓国式トンカス老舗ガイドもあわせてどうぞ。

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麻浦ヨンタン・プルコギ(마포연탄불고기)

石渓路18ギル4、光云大駅寄りの石渓路の路地の奥です。練炭の火で焼くプルコギの店で、2025年の月渓洞グルメリストに入っています。

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光云大の学生はどこで食べている?

光云大駅から大学へ続く光云路(クァンウンロ)とその路地です。 店の顔ぶれはシンプルで、早く出てきて、一人で食べやすく、量が多い店。カツ、トンカス、丼、寿司が中心です。

正直に言うと:光云大の商店街は、新村や回基のように何十年も続く学生街の老舗が並ぶ場所ではありません。学生自身も「これといった名店は少ない」と言うほどです。そのかわり一人でも入りやすいコスパの店は確かにあって、そのうち何軒かは平日のお昼ごとに行列ができます。有名な大学街を期待するより、ソウルの大学生のふつうのランチを見に行くつもりで。

ハイレ(하이레)

光云路12ギル6のカツ専門店。ダイニングコードの「光云大」ランキングでトップを守る店で、最近の口コミでも「いつも待ちがある」という声が続きます。カウンター席があるので一人でも入りやすい店です。

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ユンズクック(윤스쿡)

光云路29、コシウォンが入る建物の2階。メニューは実質ふた筋で、分厚いトンカスと直火焼きの豚肉辛炒め丼です。2026年10月のオンラインメニューではロースカツと「光云大トンカス」が12,000ウォン、基本のトンカスが11,000ウォン、口コミには直火チェユク丼7,000ウォンの記載も。ある光云大生は「学校周辺トップ5」に挙げています。

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プルン寿司 光云大本店(푸른스시 광운대본점)

光云路33の1階。店名に「光云大本店」と入った寿司店で、2025年12月の光云大周辺グルメリストに入っています。

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パブンファ 光云大本店(밥은화 광운대 본점)

炭火の香りをまとわせた丼の店。2016年に光云大の前で始まり、近くの仁徳大学前などにも店舗を広げました。学生の財布に合わせた丼一杯が、この商店街の定番ランチです。

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石渓・光云大でおすすめのカフェは?

正直なところ、この界隈のカフェは石串洞側のほうが充実しています。 石渓駅周辺でいちばんよく名前が出るカフェ・ディゾルブやカフェ・ヨベク、大型ベーカリーのグレド製パン士は、どれも牛耳川を渡った石串洞(城北区)側にあります。蘆原区側は大学街のチェーン店が多く、個人カフェは路地に点在する程度。以下はダイニングコードの「光云大・石渓駅・月渓洞」カフェランキングで上位に入る個人店です。

🍰
デザートカフェ・フアナ
ダイニングコードの石渓駅と月渓洞、両方のカフェランキングに入るケーキカフェ。
☕
カフェ・ニニ
ダイニングコードの光云大カフェランキング上位の個人カフェ。
📚
スルスル・コーヒー
光云大カフェランキングと石渓駅周辺のカフェリスト、両方に名前が出るコーヒー店。
🫘
RNB'sコーヒー
ダイニングコードの光云大駅カフェランキングに入るコーヒー専門店。

📍 Naverマップで開く — デザートカフェ・フアナ

📍 Naverマップで開く — カフェ・ニニ

📍 Naverマップで開く — スルスル・コーヒー

📍 Naverマップで開く — RNB’sコーヒー

コーヒーにこだわるなら、京春線森の道(キョンチュンソン・スップキル)を歩いて孔陵洞(コンヌンドン)へ抜ける手もあります。2026年6月に森の道が光云大駅までつながり、孔陵側にはロースタリーがいくつもあります。詳しくは孔陵・京春線森の道ローカルガイドへ。


石渓・光云大で一食いくらかかる?

食事は1万ウォン前後、ポチャのつまみは2〜3人で1万〜3万ウォン台です。 下の表は2026年10月時点のオンラインメニュー・口コミをもとにしており、確認できなかった店は「現地確認」としています。

💰 石渓・光云大・月渓 店別の価格目安(2026年10月オンライン時点)

店おすすめメニュー価格帯最寄り駅
イルボンジ・ポジャンマチャムルフェ、コプチャン炒め、カニ鍋1万〜3万ウォン台石渓駅
石渓駅8番出口(ポチャ)海鮮チヂミ、コルベンイ素麺1万〜2万ウォン台石渓駅
マシッソ・モゴバシェイクジョン・トースト、おでん5,500ウォン前後石渓駅
ムミョン・カルグクス海鮮カルグクス、ワンマンドゥ9,000〜10,000ウォン石渓駅
オンマ・マヌル・ポッサムニンニクポッサム現地確認石渓駅
ホジェ・トンカス手づくりトンカス現地確認石渓駅
麻浦ヨンタン・プルコギ練炭プルコギ現地確認光云大駅
ハイレカツ現地確認光云大駅
ユンズクックロースカツ、直火チェユク丼7,000〜12,000ウォン光云大駅
プルン寿司 光云大本店寿司現地確認光云大駅
パブンファ 光云大本店炭火丼現地確認光云大駅
デザートカフェ・フアナケーキ現地確認月渓洞(地図で確認)
カフェ・ニニコーヒー現地確認光云大駅
スルスル・コーヒーコーヒー現地確認光云大駅
RNB’sコーヒーコーヒー現地確認光云大駅

いつ行くのがいい?

平日の昼に光云大側から始めて、夕方に石渓駅へ下ってくる順番がいちばん効率的です。光云大前の店は学期中の平日昼(12〜13時)がいちばん混み、休み期間や週末は早じまいや休業が増えます。逆に石渓駅のポチャは平日の帰宅時間以降、とくに金曜の夜がいちばんにぎやかです。

半日モデルコース — ランチからポチャまで

  • 11:30 光云大駅:光云路を大学方面へ。12時に学生が押し寄せる前に、ハイレかユンズクックでランチ。
  • 13:00 カフェ:カフェ・ニニかスルスル・コーヒーで一杯。コーヒー好きなら京春線森の道を孔陵方面へ歩くのも手。
  • 15:00 石渓路を散歩:線路沿いに石渓駅方面へ下りながら月渓洞の路地歩き。小腹がすいたらムミョン・カルグクスへ(売り切れ前に)。
  • 18:30 石渓駅のポチャ:2番出口側の「石渓駅8番出口」か、1番出口近くのイルボンジ・ポジャンマチャでチヂミと焼酎。
  • 終電前に:1号線(鍾路・清凉里方面)と6号線(梨泰院・合井方面)、どちらで宿に帰るか先に決めておきましょう。

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データと出典

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