まず結論から

運賃が安い移動と体への負担が少ない移動は同じではない。高齢者向けカードでは地下鉄が無料でもバスは有料。階段や乗り換えも含めて移動のしやすさを考えたい。

地下鉄の入口が近くても、ホームは地下深くかもしれない。病院に近い出口を探すため長い通路を歩くこともある。買い物のような短距離なら、自宅近くに止まるバスの方が使いやすい場合がある。

年齢が上がるほどバス利用は増える?

ソウル市が示した高齢者交通カードの利用資料では増えている。 2025年7月を基準とする交通手段別の割合で、バスは65~69歳の12.8%から90歳以上の37.8%になった。ただし、これは特定のカードの利用記録。高齢者の全移動でも、バスを選んだ理由の調査でもない。

12.8% → 37.8%
同カード資料のバス割合:65~69歳 → 90歳以上

実際に無料なのは何?

対象となる首都圏鉄道は無料、バスは有料だ。 ソウル市の優待カード案内は、地下鉄からバスへ乗り継いでもバス運賃がかかると明記する。2026年6月には無賃年齢とバス支援を議論する公聴会が開かれたが、議論を現行制度として紹介してはいけない。

運賃に現れない負担

エレベーターへの遠回り、乗り換え通路、停留所から病院までの坂、立ったままの待ち時間はカード統計だけでは分からない。

高齢者の移動は運賃だけでなく、自宅から停留所、乗換通路、目的地の入口までを一つの旅程として考える必要がある。カード利用率が映すのはその一部にすぎない。

無料の地下鉄と有料のバスはどうつながる?

ソウル市の運賃案内では65歳以上は地下鉄の無賃対象だが、年齢だけでバスも無料になるわけではない。家から駅まで、または駅から病院までバスが必要なら「地下鉄無料」は移動全体の費用を説明しない。モバイル高齢者カードの案内もバス、GTX、空港鉄道の直通列車は有料としている。

モバイルカードには本人名義のAndroid 12以上の端末という条件があり、iPhoneでは使えない。市は実物カードや身分証による一回用鉄道乗車券も案内している。給付のデジタル化と、その利用しやすさは別の問題だ。

カード利用率から移動の苦労は分かる?

2026年の公聴会で示された年齢別のバス利用割合は手掛かりであって、理由そのものではない。停留所の近さ、目的地、居住地、健康状態が影響しうる。外出を断念した人も乗車記録には現れない。同種の目的地までのドア・ツー・ドアの時間、階段、エレベーター、待ち時間を比べてこそ、運賃とアクセスを一緒に評価できる。公聴会の提案を現行制度と混同してはいけない。

資料を読む三段階. 運賃 → カード記録上の交通手段 → ドアから目的地までの負担は別の段階だ。引用資料だけで最後の段階が実現したとは言えない。本稿は現地取材ではなく公開資料の分析である。

あわせて読む: ソウルの夏、日陰があるのは誰の道?.