まず結論から

  • カムギュルは毎日食べる普通のみかん。皮の薄い温州みかんで糖度は約12度、主に10〜12月に収穫。10月末がシーズンの始まりです。
  • 高級な中晩柑はリレーで登場:黄金香(11〜12月)、レッドヒャン(1月ごろ)、ハルラボン(2月〜)、天恵香(3月〜)、カラヒャン(4〜5月)。
  • むきやすさ重視ならカムギュル・天恵香・レッドヒャン。贈答用の箱ならハルラボン。
  • 済州のみかん狩りは西帰浦柑橘博物館で5,000ウォン(VisitJeju)。日本への持ち帰りは韓国ではなく到着国のルールで決まります。

10月末になると、韓国のスーパーの入口にはオレンジ色の箱が積まれ、果物トラックもみかんに切り替わります。韓国で감귤カムギュル、あるいは単に귤キュルと言えば、ほぼ済州産の温州みかんのことです。

ややこしいのはその先。ハルラボン、天恵香、レッドヒャン、黄金香、カラヒャン。どれも만감류マンガムリュ(中晩柑)と呼ばれる交配品種で、値段は高め、冬から春にかけて順番に旬を迎えます。実は多くが日本生まれの品種。見分け方と旬、買うならどれかをまとめました。


カムギュル・ハルラボン・天恵香・レッドヒャンの違いは?

カムギュルは小さくて皮の薄い日常のみかん。ほかは商標名で売られる大きな交配品種で、皮・香り・旬がそれぞれ違います。以下は済州柑橘連合会と済州特別自治道農業技術院の資料にもとづいています。

🍊
カムギュル 감귤
温州みかん。糖度約12度、酸度1%前後。皮が薄くなめらかで、すぐむける。
⛰️
ハルラボン 한라봉
品種名は不知火(日本のデコポンと同じ品種)。盛り上がったヘタが漢拏山に似ている。果汁たっぷりで糖度13度以上。
🌸
天恵香 천혜향
品種名はせとか。「香りが千里を行く」が名前の由来。皮が薄くなめらかで200〜280g、糖度13度前後。
❤️
レッドヒャン 레드향
品種名は甘平。赤みのある皮はむきやすく、果肉はやわらか。甘さはハルラボン並み。
✨
黄金香 황금향
品種名は紅まどんな。粒がぷりっとして酸味が少なく、天恵香とは違う独特の香り。
🌱
カラヒャン 카라향
春のみかん。4〜5月に収穫する晩生品種で、冬の中晩柑の収穫が終わったあとに出てくる。

背景

これらの交配品種の多くは日本で育成されました。済州柑橘連合会によると、ハルラボンは清見×ポンカン、天恵香は清見とアンコールにマーコットを交配した品種。済州道農業技術院の資料では、天恵香が済州に入ったのは1995年です。韓国語の名前は商標名なので、箱に日本由来の品種名が併記されていることもあります。普通の温州みかんも日本から来たもの。連合会は、1911年にフランス出身のタケ(Esmile J. Taque)神父が日本から持ち込んだ15本を済州の温州みかんの始まりとしています。

540,906t
2024年産の済州柑橘生産量(済州道資料)
113,809t
そのうち中晩柑(ハルラボンなどの交配品種)
91%
中晩柑のうちハウス栽培の割合(103,588t)
1911
済州に温州みかん15本が初めて植えられた年

韓国みかんの旬はいつ?品種別カレンダー

露地のカムギュルは主に10〜12月に収穫され、中晩柑が11月から5月まで順番に続きます。夏はハウスみかんが埋めるので、韓国産みかんはほぼ一年中店頭にあります。

📅 韓国みかんの旬(2026年10月時点、収穫時期は済州の農業機関資料による)

みかん韓国語主な時期ポイント
露地カムギュル노지감귤10〜12月に収穫定番の冬みかん。1個あたりいちばん安い
ハウスカムギュル하우스감귤4月下旬〜初秋夏のみかん。JIBSは2024年の初出荷を4月22日と報道
黄金香황금향11〜12月シーズン最初の中晩柑
レッドヒャン레드향1月ごろ赤い皮は手でむける
ハルラボン한라봉2月から済州柑橘連合会によると2月から収穫
天恵香천혜향3月から無加温ハウスは2月下旬〜3月上旬に収穫
カラヒャン카라향4〜5月春が旬の唯一の品種

実用メモ

この表は収穫時期で、販売期間ではありません。中晩柑の91%は施設栽培なので農家によって時期がずれ、貯蔵した果実は収穫が終わってからも売られます。表の月より少し早く、または遅く店頭で見かけることもあります。

みかんが韓国の果物カレンダーのどこにあるか、韓国の果物がなぜ高いのかは韓国の果物価格と旬カレンダーで解説しています。みかん箱と一緒に冬の食卓に並ぶいちごや焼き芋は韓国の冬の旬グルメへ。


済州みかん、買うならどれ?

おやつならカムギュル、おみやげや果汁たっぷりの一個ならハルラボン、むきやすい高級みかんならレッドヒャンか天恵香。買える品種は月によって変わるので、まず上の旬の表を見てください。

🛒 どれを買う?(済州柑橘連合会・済州農業技術院の説明にもとづく)

こんな人に買うなら理由
歩きながら食べる安いおやつカムギュル薄い皮と小ぶりなサイズ、糖度約12度でほどよい酸味
有名なあれ、または贈答箱ハルラボン糖度13度以上、果汁たっぷり、ヘタですぐわかる
香りと薄い皮天恵香強い香り、薄くなめらかな皮、200〜280g
甘くてやわらかく、むきやすいレッドヒャンむきやすく果肉がやわらか、甘さはハルラボンに近い
晩秋の酸味が少ないみかん黄金香ぷりっとした粒と少ない酸味。皮が厚いとの報道があり、ナイフがあると楽
春の旅行中のみかんカラヒャン4〜5月収穫、ほかの中晩柑の収穫後
シンプルな選び方:11〜12月の旅行ならカムギュルを袋ごと買って、黄金香を1個試す。1〜3月は中晩柑の最盛期なので、ハルラボン・レッドヒャン・天恵香を数個ずつ買って食べ比べ。4〜5月ならカラヒャンを探しましょう。

2026年のみかん・ハルラボンの値段は?

2026年10月30日時点で韓国の農産物価格情報サービスKAMISのリアルタイム小売価格を取得できなかったため、下の数字は今日の店頭価格ではなく報道された参考値です。最新価格は、みかんの小売価格を毎日公開しているKAMIS(kamis.or.kr)か、大型スーパーの値札で確認してください。

💰 報道された価格の参考値(卸売価格・平均価格で、店頭価格ではありません)

品目時期価格出典
露地カムギュル 5kg 上品(可楽市場卸売)2026年第1四半期、2025年産15,700ウォン(前年比−36.5%)韓国農村経済研究院、ファイナンシャルニュース報道
みかん 3kg 上品(可楽市場卸売)2026年8月平均21,800ウォン韓国農村経済研究院、ファイナンシャルニュース報道
ハルラボン 3kg2026年2月初めの平均13,608ウォンエコノミスト(韓国)、データの出所は記載なし
天恵香 3kg2026年2月初めの平均16,526ウォンエコノミスト(韓国)、データの出所は記載なし
レッドヒャン 3kg2026年2月初めの平均18,157ウォンエコノミスト(韓国)、データの出所は記載なし

価格を動かすのは2つ。ひとつは作柄です。済州道農業技術院は2回目の観測調査で2026年産の露地みかんを約443,300t、前年より7.8%多いと見込んだと、ファイナンシャルニュースが9月に報じました。最終推計は11月の調査後に出ます。豊作の年はたいてい冬のみかんが安くなります。もうひとつは祝日。2026年2月のソルラル前には、政府の割引支援で大型スーパーやオンラインの済州産中晩柑が20〜30%引きになったとエコノミスト(韓国)が報じています。


ソウルで済州みかんを買うならどこ?

ソウルでいちばん手軽なのは大型スーパー、少量なら在来市場、可楽市場は済州みかんが競りにかけられる場所です。

韓国の家庭の習慣をひとつ。冬はみかんを1箱買って涼しい場所に置き、1週間かけて食べます。やわらかくなったり傷んだりしたものは早めに取り除いて。1個傷むと、触れているみかんまで傷みます。


済州でみかん狩りができる場所は?

西帰浦柑橘博物館が自前のみかん畑でみかん狩りを行っており、VisitJejuは期間を11月〜1月、体験料を5,000ウォンと案内しています。露地のカムギュルを摘んで袋に入れて持ち帰れ、畑にいる間は好きなだけ食べられます。

2025年シーズンは11月3日〜12月30日、1人約1kg持ち帰り、入場は9:30〜11:30と13:00〜16:30、雨天は実施なしだったと、ウィキツリーが博物館の発表として報じました。2026年の日程は2026年10月30日時点で未発表で、確認時には博物館のサイトにもアクセスできませんでした。行く前に博物館(064-767-3010)に電話するか、VisitJejuで確認を。

📍 Naverマップで開く

済州各地の個人農園も同じ時期に、たいてい袋単位でみかん狩りを行っています。料金や営業日は農園ごとに違うので、個別に確認してください。

実用メモ

  • 晴れの日に行く。屋外の体験で、2025年は雨の日は実施されませんでした。
  • バスは事前に確認。博物館は西帰浦市内の東側、孝敦(ヒョドン)にあります。バスとタクシーはレンタカーなしの済州旅行で解説しています。
  • 柑橘博覧会と組み合わせる。2026済州国際柑橘博覧会は11月19〜23日、西帰浦農業技術センター一帯で開かれ、直売市場や家族向け体験があるとファイナンシャルニュースが報じています。
  • 済州の旅程を組むなら済州アクティビティガイドで、要予約のものと当日でいいものを分けています。

韓国のみかんは日本に持ち帰れる?

済州からソウルへみかんを運ぶのは税関のない国内移動ですが、海外への持ち出しは到着国の植物検疫ルールしだいです。

国内では航空会社の手荷物許容量だけ気にすればよく、ただし5kg箱はすぐ重量オーバーになります。国際線は別です。仁川空港は、植物や果物を海外に持ち出したい旅行者に次の2点を案内しています。

背景

韓国の検疫証明書は検査を受けたという証明にすぎず、到着国の禁止を覆すものではありません。旅行者の生果実を制限する国は多いので、ダメならハルラボンは出国前に食べてしまいましょう。ジュース、乾燥みかんのお菓子、みかんチョコといった加工品のほうがずっと持ち帰りやすいおみやげです。主な国のルールは韓国の食べ物の持ち帰りガイドにまとめています。逆に韓国に入国するときは、旅行者の携帯品の生果実はすべて輸入禁止だと仁川空港は案内しています。

データと出典