まず結論から

  • 韓貞仙(ハンジョンソン)は、チャプサルトック(もち米の餅)にフルーツを丸ごと、最近はギリシャヨーグルトまで詰めて、1個ずつ色とりどりの韓紙で包んで売るソウルのデザートブランドです。2023年に聖水洞(ソンスドン)の1店舗から始まり、2026年10月現在は百貨店の食品館やソウル駅まで8店舗に広がりました。
  • 単品は3,500〜6,500ウォン(店頭メニュー表)。初めてなら看板のヨーグルト系を1個、みかん丸ごとのようにフルーツが主役のものを1個選ぶと、この店がなぜ話題なのかがすぐわかります。
  • 行列はキオスクかCatchTableで先に登録し、通知が来てから並ぶ方式。平日の開店直後がいちばん空いていて、百貨店の店舗なら待つあいだ他の階を見て回れるので楽です。
  • 並びたくないならGS25の冷凍ヨーグルトチャプサルトック(3,900ウォン)があります。店の商品とは別物ですが、「あの断面」をコンビニで味わえます。

2026年秋、ソウルでいちばん長い行列ができているのは、ブランドショップでもポップアップストアでもなく餅屋の前です。ソウル駅の店舗では金曜の夜7時半に順番待ちが500組を超え、ロッテワールドモールの店舗は開店から10分で140組が登録を済ませていました。行列の主役は、手のひらの半分ほどのフルーツ餅、韓貞仙です。

日本から来た旅行者にとって、韓貞仙はちょっと不思議な存在かもしれません。ひと目見て「これ、いちご大福では?」と思うのに、韓国の人たちはわざわざチャプサルトックと呼び、店は韓屋のようにしつらえられ、包みは福袋(ポクチュモニ)の形。この記事では、韓貞仙で何をいくらで買い、どう並べばいいかに加えて、韓国の人にとってチャプサルトックがどんな食べ物だったのか、なぜこれほどのブームになったのかまでまとめます。韓国のデザート流行がなぜこんなに速く移り変わるのかは、韓国デザート流行年表で詳しく取り上げています。


韓貞仙(ハンジョンソン)とはどんな店?

フルーツチャプサルトックひとつで、聖水からソウルの主要百貨店まで上り詰めたテイクアウト専門のデザートブランドです。2023年、聖水洞の延武場キル(ヨンムジャンギル)に1号店を開き、SNSで「半分に切った断面」の写真が広まって名が知られるようになりました。2026年4月11日にソウル駅店ができてからは、地方から上京した人と外国人観光客が一緒に押し寄せる場所になっています。

8店舗
2026年10月時点の店舗数(ソウル7+京畿道・板橋1、地方店なし)
540組+
10月2日夜7時半、ソウル駅店の順番待ちキオスク(イーデイリー現地取材)
70万個
GS25コラボ冷凍ヨーグルトチャプサルトックの累計販売数(9月3日発売から約1か月、ヘラルド経済報道)
3,500~6,500ウォン
店頭の単品価格帯(2026年9月、ロッテワールドモールのメニュー表)

商品そのものはシンプルです。もちもちの餅生地の中に、いちご・みかん・いちじく・ゴールドキウイ・熟柿(ホンシ)・シャインマスカットといったフルーツを丸ごと入れ、味によって小豆餡かギリシャヨーグルトを合わせます。半分に割ると、断面のほとんどをフルーツが占めます。ある記者はフルーツと餅の比率を「7対3」くらいと表現していました。

韓貞仙を街の餅屋と分けているのは、餅そのものより見た目です。

つまり韓貞仙がしたのは、新しい餅の発明ではありません。昔からあったフルーツチャプサルトックを、写真に撮りたくなり、人に見せたくなり、贈りたくなるものに変えたのです。だからこの店を理解するには、まず「チャプサルトック」と「モチ」の関係を整理しておく必要があります。

韓貞仙と日本の大福はどう違う?

形はほぼ同じで、呼び名と装いが違います。もち米の生地で餡などを包むお菓子を、韓国では「チャプサルトック(찹쌀떡)」、日本では大福(大福餅)と呼びます。韓国の人が日常的に使う「モッチ(모찌)」は、日本語の「餅(もち)」から来た言葉です。

日本の読者にはおなじみの大福ですが、その名の由来も少し振り返っておきましょう。もとは餡がたっぷり入っていることから「腹太餅」と呼ばれ、それが「大腹餅」、さらに同じ読みの縁起のいい「大福」へと変わり、18世紀末には焼いて食べるほど広まっていました。いっぽういちご大福は意外に新しいお菓子で、生まれたのは1980年代の日本。元祖を名乗る店が複数あって正確な起源ははっきりしませんが、東京の和菓子店・大角玉屋は、1985年の正月に「洋菓子の時代が終わり、和菓子の時代が来る」という新聞コラムを読み、いちごのショートケーキから着想して作ったと説明しています。

🍡 同じ一族、違う顔 — 大福・チャプサルトック・韓貞仙を比べると

項目日本の大福韓国の伝統的なチャプサルトック韓貞仙
呼び名大福、フルーツが入ればフルーツ大福チャプサルトック(찹쌀떡)自ら「チャプサルトック」と名乗る
定番の中身小豆餡小豆餡フルーツ丸ごと+小豆餡またはギリシャヨーグルト
フルーツ入り1980年代のいちご大福から韓国の餅屋・デザート店でも昔から販売断面のほとんどがフルーツ
イメージ緑茶と合わせる和菓子合格祈願、冬の夜食韓紙の福袋、韓屋風の店、贈り物

フルーツ入りのチャプサルトックは、韓国でも新しい食べ物ではありません。ソウル・弘大(ホンデ)の近くには3代続くいちごチャプサルトック専門店があり、街の餅屋のショーケースでも、いちごチャプサルトックは昔から冬の定番でした。そのためネットでは、韓貞仙が大阪の有名なフルーツ大福店に似ているという指摘も根強くあります。ただ「フルーツを丸ごと入れた餅」という形自体は誰かひとりのものとは言いにくく、ブランドの雰囲気が似ているという消費者の問題提起、くらいに受け止めるのが妥当でしょう。

面白いのは、韓貞仙が自らのメニュー表で「モッチ」という言葉を一切使っていないことです。すべて「○○チャプサルトック」。韓国のネット掲示板には「韓貞仙ですらチャプサルトックとして売っているのに、なんでみんなモッチって呼ぶの?」という書き込みまであるほどで、このこだわりこそがブランドの核心です。同じものでも「日本のお菓子」ではなく「韓国の餅」と呼ばれたとき、韓国の人には別の感情が宿るからです。

韓国の人にとってチャプサルトックとは?

冬の夜の路地に響いた夜食であり、試験会場前の合格のお守りでした。韓貞仙ブームを「高い餅に行列しているだけ」と見てしまうと、ここを見落とします。チャプサルトックには、韓国の人の多くが共有する記憶が結びついているのです。

「チャプサル トッ〜ク、メミルムク サリョ」

中高年の韓国人にとって、チャプサルトックはまず声の記憶です。韓国の国家遺産庁の資料によると、チャプサルトックとソバムク(そば粉の寒天のような食べ物)を売り歩く夜食の行商は、起源ははっきりしないものの日本統治時代に始まったと推定され、1970年代まではソウルや大都市の路地で「チャプサル トッ〜ク、メミルムク サリョ(もち餅〜、そばムクいかが)」という呼び声を普通に耳にできたそうです。夜の長い冬がかき入れ時でした。

背景:夜食の行商がいた風景

  • 当時、チャプサルトック1個は10ウォン。チャジャン麺1杯が約70ウォンだった時代です(国家遺産庁『月刊国家遺産サラン』)。
  • 新聞配達と並んで、貧しい苦学生の稼ぎ口でした。夜間外出禁止の時刻を過ぎても歩き回る幼い行商を、夜警が見逃してくれることもあったといいます。
  • チャプサルトックとソバムクを一緒に売ったのは、喉に詰まりやすい餅に、やわらかいムクを添えるためだったのでは、という説があります。
  • 24時間配達のチキン・チョッパル・ピザが登場すると、行商は次第に姿を消しました。それでも2004年には、ソウルの新林(シルリム)駅近くに毎晩30〜40人の行商が集まり、餅の箱を受け取って出かけていたという記録があります(京郷新聞)。

試験に「ぴたっとくっつけ」

韓国の受験生が試験前にもらう定番の贈り物が、ヨッ(飴)とチャプサルトックです。ねばっとくっつく性質にかけて、試験にも「くっつけ(=受かれ)」という意味が込められています。韓国語では「付く(붙다)」が「合格する」の意味にもなるからです。先に大学を選んでから試験を受けた時代(1992年の学力考査世代まで)は、結果がまさに「くっつくか、落ちるか」だったので、この意味合いはいっそう強いものでした。チャプサルトックは結婚式の引き出物としても人気がありました。

今年の大学修学能力試験(修能・スヌン)は2026年11月19日(木)です。11月にソウルにいれば、パン屋やコンビニ、餅屋の棚に「合格(합격)」の文字入りチャプサルトックセットがずらりと並ぶ光景に出会えるはず。修能の日に国全体がどう止まるのかは、修能の日のソウルで旅行者が見るものにまとめています。

そして2026年、餅がふたたびデザートになった

韓貞仙はひとりで人気になったわけではありません。国の統計機関のデータを引いた報道によると、韓国の餅類の販売額は2018年の5,641億ウォンから2025年には9,624億ウォンへと、70%以上伸びました。今年は全国の名物餅屋をめぐるトッチスルレ(餅+聖地巡礼)という言葉まで生まれ、ロッテ百貨店蚕室(チャムシル)店は地方の餅屋を集めたポップアップを開きました。ドバイもちもちクッキー(ドゥチョンク)が去ったあとを、もちもちの餅が引き継いだというわけです。伝統の餅屋をめぐりたい人は、ソウルの餅屋・韓菓ガイドもあわせてどうぞ。


メニューと値段:初めてなら何を選ぶ?

初めてなら、ヨーグルト系を1個、フルーツが主役のものを1個。口コミでいちばん推されているのはヨーグルトシリーズ(特にブルーベリー・シャインマスカット・桃)で、フルーツ系ではいちじく、みかん丸ごと、そしてドバイチョコレートの話題が目立ちます。

💰 韓貞仙の単品メニューと値段(2026年9月ロッテワールドモールのメニュー表、10月2日ソウル駅店の購入価格で一部照合)

メニュー中身値段
ドバイチョコレート チャプサルトックカダイフ+ピスタチオクリーム6,500ウォン
ギリシャヨーグルト チャプサルトック(シャインマスカット・桃・ブルーベリーなど)フルーツ+ギリシャヨーグルト6,000ウォン
チョコいちご チャプサルトックいちご+チョコレート5,500ウォン
いちじく チャプサルトック生いちじく5,500ウォン
ゴールドキウイ チャプサルトックゴールドキウイ4,500ウォン
よもぎ生いちご チャプサルトックいちご+よもぎ入り餅生地4,500ウォン
熟柿(ホンシ) チャプサルトック熟した柿4,200ウォン
ハニーゴールドパイナップル チャプサルトックパイナップル4,000ウォン
みかん丸ごと チャプサルトック皮をむいたみかん1個4,000ウォン
あんバター チャプサルトック小豆餡+バター3,500ウォン
福袋(ラッピング)—5,000ウォン
🫐
ギリシャヨーグルト チャプサルトック
今の韓貞仙をつくった看板メニュー。フルーツとヨーグルトが餅生地からあふれ出てきます。ブルーベリーとシャインマスカットの口コミが特に多め。6,000ウォン。
🍊
みかん丸ごと チャプサルトック
皮をむいたみかん1個を薄い餅で包んだもの。ひと口目で果汁がはじける、いちばん「フルーツが主役」なメニュー。4,000ウォン。
🍈
いちじく チャプサルトック
大きな生いちじくがまるごと1個。秋が旬なので、今まさに選びたい味。5,500ウォン。
🍫
ドバイチョコレート チャプサルトック
ドゥチョンクブームを餅に移したメニュー。サクサクのカダイフとピスタチオクリーム。甘いという声が多いので1個で十分。6,500ウォン。

実用メモ:初めての選び方

  • 順番が来ても、目当ての味が売り切れていることがあります。第1〜第3希望を先に決めておきましょう。
  • 2人ならヨーグルト1+フルーツ1+ドバイ1を分け合う組み合わせがいちばん多く見られます。4個買うと2万ウォンを超えます。
  • 甘いものがそれほど得意でなければ、ドバイや熟柿よりみかん・ゴールドキウイのほうがいい、という声が多めです。
  • 冷たいうちがおいしいです。すぐ食べないなら、下の保存法をチェックしてください。

韓貞仙の待ち時間はどれくらい?

店舗と時間帯によって、数分から2時間近くまで大きく変わります。いちばん短いのは平日午前の開店直後、いちばん長いのは週末の午後と夜のソウル駅店です。2026年秋に韓国メディアが現地で記録した待ち時間をまとめると、こうなります。

⏱️ 報道で確認できた韓貞仙の待ち時間(2026年9〜10月、SeoulWindowまとめ)

日時店舗状況出典
9月15日(火)午後4時新世界百貨店 江南店店前に約50人、受け取りまで約50分マネートゥデイ
10月上旬 午前10時40分(記事は10月2日)ロッテワールドモール開店10分で前に141組MTN
同日 午後2時40分ロッテワールドモール前に214組、登録から約1時間後に呼び出し通知MTN
10月2日(金)夜7時半ソウル駅キオスクの順番待ち約540組、記者は約2時間待ちイーデイリー

行列の仕組みは?

  1. 順番待ちの登録 — 店舗近くのキオスクで電話番号を入力して登録します。ソウル駅店では、エスカレーターで上がった別のスペースにキオスクがあります。一部の店舗は予約アプリCatchTable(キャッチテーブル)で受け付けていて、午後遅くになると登録そのものが締め切られることもあります。
  2. 通知を待つ — 順番が近づくとカカオトークに通知が届きます。それまではどこにいても構いません。
  3. 店前の列 — 通知を受けて行くと、店の前にもう一度短い列があります。ソウル駅店ではこの列だけで30人前後が並んでいました。
  4. 注文と支払い — 残っている味から選ぶと、スタッフがその場で韓紙に包んでくれます。受け取ったらすぐに個数と金額を確認しましょう。

実用メモ:旅行者が待ち時間を減らすコツ

  • 平日の開店直後を狙いましょう。ほとんどの店舗は午前10時30分開店です(ソウル駅店は早朝から)。
  • 百貨店の店舗を選びましょう。登録だけしておいて食品館や他の階を見て回り、通知が来たら戻ればOK。百貨店どうしが韓貞仙を取り合う理由も、まさにこの「待っているあいだに他の売り場を回るお客さん」にあります。
  • 電話番号が必要です。韓国の番号がないと通知を受け取れない可能性があるので、海外の番号で登録できるか、まずスタッフに聞いてみてください。CatchTableには英語版(CatchTable Global)がありますが、韓貞仙の順番待ちに対応しているかは店舗ごとの確認が必要です。
  • 秋夕(チュソク)や年末、修能前のように贈り物の需要が集中する週は避けるのが無難です。ギフトセットから売り切れます。

全8店舗、旅行者ならどこへ行くべき?

雰囲気を味わうなら聖水本店、旅の動線に組み込むならソウル駅店、待ち時間を快適に過ごすなら百貨店の店舗がおすすめです。全店テイクアウト専門で、座って食べる席はありません。

📍 韓貞仙の店舗と営業時間(2026年9月時点のまとめ — 行く前に地図アプリで確認を)

店舗場所営業時間こんな旅行者に
聖水本店聖水洞 延武場キル 43-1 1階10:30〜22:001号店の雰囲気、聖水のカフェ街散歩
ソウル駅店ソウル駅 2階04:30〜24:30KTX・空港鉄道(AREX)に乗る前、手土産用
ザ・現代ソウル汝矣島(ヨイド)のザ・現代ソウル10:30開店汝矣島・漢江(ハンガン)エリア
ロッテワールドモール蚕室のロッテワールドモール10:30〜22:00ロッテワールド・ソウルスカイ
ロッテ百貨店 本店明洞(ミョンドン)・乙支路(ウルチロ)10:30〜20:00明洞ショッピング
新世界百貨店 江南店高速ターミナルの新世界百貨店江南店 地下1階10:30〜20:00江南(カンナム)、高速バスでの移動
現代百貨店 貿易センター店三成洞(サムソンドン)COEX隣の現代百貨店 地下1階10:30開店COEX・ピョルマダン図書館
現代百貨店 板橋店京畿道城南市の現代百貨店板橋店 地下1階10:30開店板橋(パンギョ)への出張・滞在

聖水本店 — すべてが始まった路地

聖水洞の延武場キル、聖水(ソンス)駅から数分の場所です。9月初めの報道では、聖水本店の待ち時間は5分前後で、新世界百貨店江南店(約15分)より短かったほど。「本店だからいちばん混む」という公式が必ずしも当てはまらない店です。聖水はオリーブヤングN聖水やポップアップストアが集まるエリアなので、半日の予定に自然に組み込めます。周辺のカフェは聖水カフェTOP10をどうぞ。

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ソウル駅店 — いちばん早く開いて、いちばん遅く閉まる店

2026年4月にオープンし、早朝から深夜0時過ぎまで営業する唯一の店舗です。KTXで地方へ向かう前や、空港鉄道で仁川空港へ行く前に寄りやすい立地なので、地方から上京した人と外国人観光客が一度に押し寄せます。そのぶん夜の待ち時間は全店でいちばん長め。駅周辺の食事はソウル駅のローカルグルメ10選にまとめています。

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百貨店の店舗 — 待ち時間がいちばんムダにならない場所

ザ・現代ソウル、ロッテワールドモール、ロッテ百貨店本店、新世界百貨店江南店、現代百貨店貿易センター店、現代百貨店板橋店は、登録だけして百貨店内を見て回れるのが最大の利点です。ロッテの店舗(ロッテワールドモール・本店)では、ロッテの外国人観光客割引(3万ウォン以上の購入で5%)がレジ横に案内されていたというまとめもあるので、パスポートを持って、先にソウルの百貨店 外国人割引ガイドをチェックしておきましょう。 ザ・現代ソウルに行くなら、ザ・現代ソウル ローカルガイドもあわせてどうぞ。

📍 Naverマップで開く — ザ・現代ソウル 📍 Naverマップで開く — ロッテワールドモール 📍 Naverマップで開く — ロッテ百貨店 本店 📍 Naverマップで開く — 新世界百貨店 江南店 📍 Naverマップで開く — 現代百貨店 貿易センター店

買ったチャプサルトックの保存法と、いつまで食べられる?

できればその日のうちに食べてください。生のフルーツとヨーグルトが入った餅なので、日持ちするデザートではありません。購入すると、保存法が書かれた案内カードを一緒にくれます。

🧊 種類別の保存法(店の案内カードの内容を伝える購入レビューより)

種類保存食べ方
フルーツ チャプサルトック(みかん・ゴールドキウイ・いちじくなど)冷蔵新鮮なうちに。餅は冷蔵庫に長く置くと硬くなります
ギリシャヨーグルト チャプサルトックすぐ食べるのがベスト。無理なら冷凍冷凍した場合は常温で約30分解凍
熟柿・あんバター・ドバイ チャプサルトック案内カードの個別表記を確認—

背景:ホテルと帰国便で気をつけたいこと

  • 部屋に冷蔵庫がないなら、その日に食べる分だけ買いましょう。韓紙の包みには保冷効果はほとんどありません。
  • お土産として持ち帰るのには向きません。生のフルーツや乳製品を含む食品は多くの国で持ち込みが制限されていますし、フライトのあいだ常温に置くと傷みやすいからです。韓国にいるうちに味わって、持ち帰るなら写真と包み紙(福袋)だけ、というのが現実的です。
  • 夏は持ち歩くうちにヨーグルトが溶けてしまいます。買ったらすぐ近くで食べるのがいちばんおいしいです。

並びたくないなら:GS25のコンビニ版韓貞仙

全国のGS25で、韓貞仙とのコラボ冷凍チャプサルトックを3,900ウォンで販売しています。GSリテールがデザートメーカーのロロメロと共同で開発した商品で、2026年9月3日に全国発売されました。

店舗版とコンビニ版、どちらかひとつなら:韓貞仙がなぜ有名なのか自分で確かめたいなら、生フルーツの店舗版。断面ともちもち食感だけ気になるならコンビニ版で十分です。コンビニ版は「韓貞仙の味」というより「韓貞仙コンセプトの冷凍デザート」と考えたほうがいいでしょう。

なぜここまで並ぶのか? 正直な評価

味だけでは説明できない行列です。韓国メディアや口コミが挙げる理由を整理すると、4つにまとまります。

  1. なじみの餅に「韓国の伝統」の衣を着せた — フルーツ大福と呼べなくもないものをチャプサルトックと呼び、漢字の店名・韓紙・韓屋で包み込みました。外国人には「韓国でしか買えないデザート」に、韓国人には「なじみがあるのに新しいもの」になります。
  2. 断面がコンテンツになる — 半分に切った瞬間、フルーツがぎっしり詰まった断面が現れます。買った瞬間から写真を撮る理由があり、その写真が次のお客さんを呼びます。
  3. 贈り物になる — 福袋の包みのおかげで、ひとりで食べるおやつではなく、持っていく手土産になります。ソウル駅店が早朝から開いているのも、「誰かにあげるために買う人」を思い浮かべれば納得です。
  4. 行列そのものが広告になる — 列ができると通りがかりの人が「あれ何?」と気になり、待った分だけSNSに載せたくなります。店舗数も1日の販売量も限られていることが、「簡単には買えない」という希少性をさらに高めています。

では、味はどうなのか。評価ははっきり分かれています。

「おいしいけど、3時間並ぶほどかはわからない」 — AKMU(楽童ミュージシャン)のイ・スヒョンが、自身のYouTubeチャンネルで韓貞仙を食べて残した言葉です。「白あんよりヨーグルトのほうがずっとおいしい。フルーツは新鮮。そこまで特別ではなかった」とも付け加えていました。

ソウル駅店で2時間近く並んだイーデイリーの記者も、似たような結論でした。主役はフルーツの味で、餅はもちもち感を添える役。贈り物としては魅力的だけれど、4個で21,000ウォン、1個がコーヒー1杯分という値段と待ち時間は負担だ、という評価です。韓国のレビューアプリにも「フルーツがおいしいからおいしいだけ」「いちごの季節以外のいちごは残念」「パッケージの勝利」という声と、「外国人が食べたら絶対喜ぶ味」という声が並んでいます。食べ終わった包み紙を中古取引アプリに5万ウォンで出品した投稿が話題になったこともあるほどで、韓貞仙はいま、餅というより体験として消費されていると言えます。

似たチャプサルトックが続々登場中

韓貞仙の店舗がソウルと板橋にしかないこともあり、ほかの地域の餅屋やデザート店もフルーツ・ヨーグルトのチャプサルトックを出し始め、フランチャイズも次々と参入しています。

🍓 チャプサルトック・デザート競争 — 他ブランドの似た商品(ヘラルド経済10月11日報道より)

ブランド商品備考
ヨアジョン(フローズンヨーグルトのフランチャイズ)生フルーツ ヨーグルト チャプサルトック5種9月19日に250店舗で先行発売、店舗ごとに数量限定
THE VENTI(コーヒーフランチャイズ)ヨゴボラ モッチギリシャヨーグルトのショップインショップブランド
ワッフル大学チャプサルトックシートのワッフル餅シート+ヨーグルトクリーム+フルーツ
CU(コンビニ)ドバイもちもちチャプサルトック2025年10月の発売以来、累計約280万個

韓貞仙はドゥチョンクのように消えてしまう?

韓国のデザート流行は、恐ろしいほどの速さで過ぎ去ります。2023年には街のいたるところにあったタンフル(フルーツ飴)の店は2年でほぼ姿を消し、今年の初めに品薄だったドゥチョンクも数か月で落ち着きました。違いがあるとすれば、ドゥチョンクのときは流行を引っ張る特定のブランドがなかったのに対し、フルーツチャプサルトックのブームは韓貞仙という名前が主導している点です。店舗をさらに増やすのか、希少性を守るのか、コンビニ版をどこまで広げるのか——その選択次第で、韓貞仙の次の1年は大きく変わるでしょう。この流れが気になる人は、韓国デザート流行年表もあわせて読んでみてください。

旅行者にとっての結論はシンプルです。ソウルにいる今こそ、韓貞仙をいちばん手軽に食べられるタイミングで、2時間の行列は必要ありません。平日の朝、百貨店の店舗で順番待ちを登録しておき、ヨーグルト系を1個と旬のフルーツを1個買って、その場で半分に割ってみてください。あの断面がなぜ韓国の人たちのスマホを埋め尽くしたのか、すぐにわかるはずです。